[ワシントン 13日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が13日公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)は、5月中旬から6月末にかけての米経済について引き続き拡大したとする一方、インフレがまもなく大幅に上昇する兆候はほぼ見当たらないとの認識を示した。
大半の地区で賃金上昇圧力は「控えめ」から「緩やか」の範囲で推移した。物価上昇圧力も引き続き小さいとした。
連邦公開市場委員会(FOMC)は、目標の2%に向けて物価が安定的に上昇していかないことや世界経済の減速を不安視している。米企業投資も2四半期連続で弱含んでいる。
FRBは昨年12月に9年半ぶりに利上げに踏み切ったが、今年に入って追加利上げを手控えている。6月の米雇用統計は底堅く持ち直したものの、トレーダーらはFRBが少なくとも2017年半ばまでは金利を据え置くとみている。
第2・四半期終盤にみられた賃金の上昇は、熟練労働者や適任者が見つかりにくい職種に集中していた。ベージュブックは「物価上昇圧力は引き続きわずかで、調査先は総じて販売価格に変化はないとした」と指摘。クリーブランドとシカゴ、サンフランシスコの3地区のみがエントリーレベルの非熟練者の賃金が上がったとした。
米雇用市場は、最大雇用とみなされる状態にあり、エコノミストらは総じて賃金の上昇を見込んでいた。賃金上昇は物価上昇につながる。
ベージュブックは、雇用は引き続き緩慢に拡大したとした。
一部の地区は消費支出が弱含む兆しがいくぶんあると報告したが、大半が楽観的な見通しを維持した。製造業活動はまちまちだった。サービス部門の伸びは「わずか」ないし「緩慢」とされた。
今回のベージュブックは、7月1日までに入手できた情報に基づいてセントルイス連銀がまとめた。
次回のFOMCは7月26-27日に開かれる。
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