[ワシントン 7日 ロイター] - 米商務省が7日発表した2019年11月の製造業新規受注は前月比0.7%減だった。機械と輸送機器の需要減を反映した。米中間の緊張が和らぐ中でも製造業の弱さが続いていることを示唆した。市場予想は0.8%減だった。
10月の数字は当初発表の0.3%増から0.2%増へ下方改定された。
11月の前年同月比は0.7%減だった。
米中は19年12月に第1段階の合意に至ったものの、詳細を巡って混乱が続く中、景況感は低迷したままだ。トランプ米大統領は先週、第1段階の合意文書を1月15日にホワイトハウスで署名すると表明した。
米供給管理協会(ISM)が3日公表した19年12月の製造業景気指数は09年6月以来の低水準をつけた。5カ月連続で景気拡大・縮小の節目となる50を下回った。軟調な景況感に伴い設備投資が減り、製造業の低迷につながっている。
過剰在庫も製造業の重しだ。さらに米航空機大手ボーイングBA.Nがインドネシアとエチオピアで墜落事故を起こした旅客機「737MAX」の生産を1月より停止したことで、製造業は一段と苦境に陥るとみられる。
製造業受注の内訳は、輸送機器が5.9%減。10月は横ばいだった。11月は民間航空機が2.2%、国防航空機が72.9%それぞれ減少した。機械は1.2%減。10月は0.8%増加していた。一方、電機・家電は2.0%増だった。
製造業出荷は0.3%増。10月は0.1%増加していた。受注残高は0.4%減。10月は横ばいだった。在庫は0.3%増。10月は0.2%増加していた。
国内総生産(GDP)の設備投資算出に利用されるコア資本財出荷は前月比0.3%減だった。
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