[ワシントン 25日 ロイター] - 全米リアルター協会(NAR)が25日に発表した2月の中古住宅販売仮契約指数は前月比4.1%低下の104.9となり、4カ月連続で下がった。中古住宅の不足が続いて足かせとなった。住宅ローン金利の上昇と住宅価格の高騰を背景に、低迷が続く可能性がある。1.0%上昇を見込んだ市場予想に反して低下した。
地域別では、北東部で上がった一方、南部と中西部、西部の3地域は下がった。
前年同月比は5.4%低下。
ただ、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の水準を引き続き上回っている。中古住宅の在庫は過去最低水準にある。
建設資材の不足と高騰で建設業者が建設のペースを引き上げるのはより難しくなっており、住宅価格の二桁の伸びを招いている。
住宅ローン金利は2月に急騰。米連邦準備理事会(FRB)が先週3年超ぶりに政策金利を25bp引き上げた後、上昇を続けている。パウエルFRB議長が21日、FRBは高進インフレを定着させないため利上げを「迅速に」、場合によっては「一段と積極的に」対応する必要があると語っており、住宅ローン金利は今後も上昇する可能性が高い。
フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)が24日発表した30年固定住宅ローン金利は平均4.42%と、2019年1月以来の高水準となった。前週は4.16%だった。
NARによると、住宅ローン金利と住宅価格の上昇が続いたことで、2月時点の住宅ローン支払額は前年同月より28%上昇した。
NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は「住宅価格高騰と住宅ローン金利上昇が相まって住宅ローン支払額が毎月さらに200ドルから300ドル増え、家計が既に厳しい多くの家庭にとって大きな負担となる」との見方を示した。
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