[ワシントン 17日 ロイター] - 米商務省が17日発表した10月の住宅着工件数(季節調整済み)は年率換算で前月比0.7%減の152万戸となった。市場予想は157万6000戸への増加だった。建材や土地、労働力の不足により、依然として抑制された状態が続いている。
9月の着工件数は、当初発表の155万5000戸から153万戸に下方改定された。
FWDBONDSのチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏は「住宅建設活動は引き続き低迷している。住宅不足や住宅価格の高騰が続く中、住宅建設を増やす方法を誰も見つけ出せていない」と述べた。
最も大きなシェアを占める一戸建て住宅の着工件数は前月比3.9%減の103万9000戸。4地域全てで減少した。北東部、中西部、西部で大幅に減少。人口密度が高く住宅建設が盛んな南部では1.8%減となった。
一方、集合住宅の着工件数は前月比6.8%増の47万戸だった。
未着工の一戸建て住宅は4.8%増の15万2000戸と2006年8月以来の高水準。
着工件数の先行指標となる10月の許可件数は前月比4.0%増の165万件。一戸建て住宅の許可件数は2.7%増の106万9000戸、集合住宅が6.5%増の52万8000戸だった。
住宅完成件数は横ばいの124万2000戸。一戸建て住宅の完成件数は1.7%減の92万9000戸だった。
建設中の一戸建て住宅は1.4%増の72万6000戸と2007年5月以来の高水準。建設中の集合住宅は47年超ぶりの高水準だった。
住宅着工は、14年半超ぶりの高水準だった3月の172万5000戸から減少傾向にある。それでも、中古住宅の深刻な供給不足が下支え要因となり、住宅価格の高騰は記録的な水準となっている。建設許可が下りたにもかかわらず、未着工の住宅も多い。
ただ、北東部と中西部の住宅建設が減少する冬季には、資材の不足が緩和される可能性がある。
PNCフィナンシャルのシニアエコノミスト、アビー・オムダンビ氏は「短期的にはサプライチェーン(供給網)のボトルネックによって建設活動が制限される可能性が高いが、2022年には供給状況が改善されるはずだ」と指摘。「値ごろ感の低下と住宅ローン金利の上昇により来年は需要が弱まる」とした。
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