[ワシントン 4日 ロイター] - 米供給管理協会(ISM)が4日に発表した2021年12月の製造業景気指数は58.7と、前月の61.1から低下し、昨年1月以来の低水準となった。市場予想の60も下回った。
指数は50が景気拡大・縮小の節目となる。製造業は米経済の11.9%を占める。
同時に、内訳の価格指数は68.2と、前月の82.4から低下した。11年10月以来の大幅な落ち込みを記録し、20年11月以来の低水準となった。供給制約が和らいでいる兆候を示唆し、米連邦準備理事会(FRB)が長らく維持していたインフレの高まりが一過性という見方を裏付ける内容となった。
ウェルズ・ファーゴのシニアエコノミスト、ティム・クインラン氏は「インフレがおそらく今年の第1・四半期に変曲点を迎えるというわれわれの予想と一致している」とした。
供給業者の納入を示す指数は64.9と、72.2から低下した。50を上回ると納入の遅れを意味する。
先行指標となる新規受注指数は60.4。前月の61.5から低下したものの、顧客の在庫が減少している状況を踏まえると、伸び鈍化は一時的もしくは限定的となる公算が大きい。
雇用指数は54.2に上昇し、8カ月ぶりの高水準となった。
ISM製造業調査委員会のティモシー・フィオレ会長は「重要な原材料の不足、コモディティー価格の高騰、困難な製品輸送が引き続き消費の重しになっている」と述べた。
FHNフィナンシャルのシニアエコノミスト、ウィル・コンパーノレ氏は「サプライチェーン(供給網)が完全に正常化するまでにはまだ多くの課題があるが、価格の落ち着きと雇用の増加は明るい兆しだ」と述べた。
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