[ワシントン 15日 ロイター] - 米商務省が15日発表した1月の小売売上高(季節調整済み)は前月比3%増加した。増加は3カ月ぶりで、2021年3月以来約2年ぶりの大幅な伸びとなった。借入コストの上昇にもかかわらず自動車などの購入が増加し、米経済が力強さを保っていることを示唆した。
ロイターがまとめたエコミスト予想は1.8%増。ただ、予想レンジは0.5─3.0%と幅があった。
14日に発表された1月の米消費者物価指数(CPI)も個人消費の底堅さを示しており、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ抑制に向けて夏も追加利上げを継続するという観測が強まる可能性がある。
モーニング・コンサルトの経済アナリスト、カイラ・ブルーン氏は「底堅い個人消費は経済の健全性という点で好ましい兆候だが、供給が制約されている品目への新たな需要はインフレ圧力を高め、FRBによるより積極的な行動につながる可能性がある」と述べた。
前月分は1.1%減と、前回発表から変更はなかった。
1月は前年同月比で6.4%増加した。
内訳では、自動車・部品が5.9%増で全体の伸びを主導。ガソリンスタンドは横ばい、オンラインなどの無店舗小売は1.3%増。
唯一のサービス部門である飲食店は7.2%増だった。
家具は4.4%増、電子機器・家電は3.5%増、スポーツ用品・趣味は0.2%増、建築資材・園芸用品店は0.3%増、衣料品も増加した。
自動車、ガソリン、建築資材、外食を除くコア小売売上高は1.7%増。前月は0.7%減と、前回発表から変更はなかった。
ニューヨークのFWDBONDSのチーフエコノミスト、クリストファー・ラプキー氏は「経済の勢いが失速しなければ、FRBが忍耐力を失い金利を引き上げすぎることによって、景気後退予想が現実のものとなるリスクが急激に増大する」と指摘。小売売上高統計のような「指標を受け、FRBはロードマップを作ることはできない」と述べた。
ブリーン・キャピタルのシニア経済アドバイザー、コンラッド・デクアドロス氏は「消費者の回復力は、経済の需要と供給のバランスを取り戻すために高水準の金利をより長期間維持したいというFRBの思惑をさらに強める公算が大きい」と述べた。
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