[ワシントン 31日 ロイター] - 米労働省が31日発表した今月26日までの週の新規失業保険申請件数は、季節調整済みで前週比2万件増の28万7000件と7月以来の高水準となった。
クリスマス休暇シーズンだったことが件数の増加に一部寄与しているとみられるが、雇用市場減速の兆しを示している可能性もある。
申請件数は市場予想の27万件を上回ったものの、ここ数カ月間はほぼ42年ぶりの低水準で推移している。申請件数は30万件を切ると雇用市場が引き締まっていることを示すとされるが、43週連続でこの水準を下回っている。これは1970年代以来の長さとなる。
労働省のアナリストは、統計に影響を及ぼすような特殊要因はないとしているが、クリスマス休暇の期間中だったことで統計の数字がゆがんだ可能性もある。
雇用市場のすう勢をより正確に反映するとされる4週間移動平均は4500件増の27万7000件だった。
2週間以上手当てを受けている失業保険受給者総数は19日の週までに3000件増の219万8000件だった。
米雇用市場はことし大きく改善した。連邦準備理事会(FRB)は今月16日に約10年ぶりとなる利上げに踏み切り、2007─09年の金融危機から経済が回復してきたことを示す節目となった。
エコノミストの多くは、失業率こそ来年は現在の5%付近からさらに低下するものの、雇用改善のスピードは落ちるとみている。失業保険申請件数は数年間にわたって大きく減り、ことしの中ごろ以降は安定している。
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