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焦点:米中間選挙、民主党大敗ならバイデン氏「再出馬断念」も

[ワシントン 3日 ロイター] - 11月8日に投開票される米中間選挙は、当然ながらバイデン大統領(79)が残る2年間の政権運営でどれほど力を発揮できるかを左右するだろう。だが、それよりずっと重大な影響があるとみられているのは、結果次第でバイデン氏が2024年の次期大統領選に再出馬できなくなるかもしれない点だ。

 11月8日に投開票される米中間選挙は、当然ながらバイデン大統領(79)が残る2年間の政権運営でどれほど力を発揮できるかを左右するだろう。ニューメキシコ州アルバカーキで3日撮影(2022年 ロイター/Kevin Lamarque)

新たな大統領の与党が中間選挙で苦戦を強いられるのは、歴史的な傾向だ。とはいえ、とりわけ厳しい視線を注がれているのが、今のバイデン氏と言える。

2日時点でバイデン氏やその側近らは再選を目指すと表明しており、そのための計画を策定中。ホワイトハウスの複数の高官も、バイデン氏の再出馬を想定している。

しかし、この中間選挙で与党・民主党が大敗した場合、バイデン氏に対する有権者の不信任と受け止められ、別の誰かに次期大統領候補の座を譲り渡すことを求める圧力が強まるだろう、と一部の民主党関係者は話す。

バンダービルト大学で米大統領の歴史を研究しているトーマス・アラン・シュワルツ氏は「世代交代の機は熟しており、中間選挙がそれを決定的にする可能性はあると思う。民主党がひどい負け方をすれば、バイデン氏に24年の選挙レース辞退を迫る力は、かなり強まるかもしれない」と述べた。

もっとも、バイデン氏が再出馬しない道を選べば選んだで、民主党にとってはそれに伴う幾つかの厄介な問題も発生する。

<代わりの候補は誰か>

何人かの民主党幹部がロイターに語ったところでは、現時点ならばハリス副大統領がバイデン氏の代わりとなる次期大統領候補の最右翼に位置する。

大半の世論調査でも、バイデン氏以外の候補として名前が挙げられる頻度はハリス氏が多い。有権者の間ではオバマ元大統領夫人のミシェル・オバマ氏の人気が高いが、本人は出馬の意思を示していない。また、過去の副大統領は、党正式候補指名争いで勝利を収めてきた歴史もある。

ただ、一時は50%を超えていたハリス氏の支持率も、足元で40%ないしそれ未満に低下。20年の前回大統領選でも存在感は薄く、副大統領就任後にこれといった政治的な実績を残せていないため、彼女では共和党候補に勝てないのではとの疑念が浮上している。

民主党が強いカリフォルニア、イリノイ、ニュージャージー3州それぞれの知事、ギャビン・ニューサム氏、J・B・プリツカー氏、フィル・マーフィー氏はいずれも、バイデン氏が再出馬を辞退した場合に備えて有力献金者や選挙スタッフになってくれそうな人々に声をかけている、と事情に詳しい2人の関係者が明かした。

3人ともバイデン氏が再選を目指すなら張り合う気はなく、ハリス氏が名乗りを上げても同氏を支持するかもしれないと目されている。

ある民主党幹部は、ニューサム氏はバイデン氏もしくはハリス氏に対抗して出馬はしないと周辺に話していると述べた。だが、ハリス氏に対する態度は今後変わる可能性もあると付け加えた。

20年の大統領候補指名争いで敗退した面々が再登場すれば、民主党に混迷をもたらす恐れもある。実際、先月のテレビのコメディー番組で、そうした展開が一種のホラー映画として痛烈に風刺された。

非営利団体のオープン・シークレッツが今年9月に公表した報告書によると、既に24年の出馬を目指すと伝えられている約20人の政治家が昨年1月以降に合計で5億9100万ドルの資金を調達している。この中にはニューサム氏やプリツカー氏、エイミー・クロブシャー上院議員、バーニー・サンダース上院議員、ピート・ブティジェッジ運輸長官などの名前が含まれる。

<予備選・党員集会の改革>

民主党全国委員会(DNC)は間もなく、大統領選の予備選・党員集会について数十年ぶりの大規模な改革を決定する見込み。その結果がが24年の党候補者選びに影響するかもしれない。

長年にわたって民主党の大統領候補選びはアイオワ州の党員集会で始まり、次にニューハンプシャー州で予備選が行われる流れが定着してきた。

しかし、アイオワとニューハンプシャーは人口に占める白人の比率がそれぞれ約90%と93%に達し、ピュー・リサーチの推定で選挙権を持つ党員の4割が非白人という民主党の構造を反映していない。

そこで、サウスカロライナ、ネバダないしミシガンが序盤の予備選・党員集会の代替開催地になるのではないかとみられている。こうした変更は、サウスカロライナでの支持を追い風に党候補指名を獲得したバイデン氏が再出馬するなら影響は乏しい。

半面、同氏がレースから外れると、劇的な事態が起こり得る。他の候補者は、黒人や中南米系の人々の懸念する問題にいち早く対応しなければならないからだ。

DNC傘下のルール・規約委員会は予備選・党員集会改革について12月初めに会合を開き、来年1月初めに最終決定する見通しだ。

<過去の教訓>

再出馬を断念した大統領は、過去にも存在する。

民主党のリンドン・ジョンソン氏は党内のベトナム戦争反対派に突き上げられる形で、1968年3月に突然、同年秋の大統領選に出ないと表明。また、1860年代を皮切りとして何人かの共和党大統領が立て続けに1期目で退陣している。

ジョンソン氏は、ベトナム戦争を巡る政策転換を打ち出した演説で、国民が外国で死んでいく中で「個人的な党派の主義主張」に時間を費やすことはできないと語った後、再出馬を見送ると発言した。

これで民主党は大混乱に陥り、最終的に大統領選では共和党のリチャード・ニクソン氏が勝利した。テキサス大学歴史学部のジェレミ・スリ教授は「選挙戦がかなり進んだ段階での出来事だったので、収拾が付かなくなった」と解説する。

一方、1860年代の共和党政権は、南北戦争で国論が分断され、大統領選は辛勝続きで次々に新たな候補者を擁立したという事情があった。

スリ氏はこれらの経緯を踏まえた上で「民主党とホワイトハウスは、政権を維持するには前回と同じ大統領候補を立てる必要があると思い込む必要はないと思う」と述べた。

(Jarrett Renshaw記者、Heather Timmons記者)

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