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アングル:バイデン氏勝利なら、米金融行政はどう変わる

[ワシントン 5日 ロイター] - 米大統領選で野党・民主党候補のバイデン前副大統領が当選しても、金融業界への締め付けを優先課題とすることはなさそうだ。しかしトランプ大統領やオバマ前大統領に比べれば、ずっと厳しい態度で臨むとみられる。

 10月5日、米大統領選で野党・民主党候補のバイデン前副大統領(写真)が当選しても、金融業界への締め付けを優先課題とすることはなさそうだ。しかしトランプ大統領やオバマ前大統領に比べれば、ずっと厳しい態度で臨むとみられる。1日、デラウェア州ウィルミントンで撮影(2020年 ロイター/Brendan McDermid)

トランプ氏が新型コロナウイルスに感染し、陣営が打撃を受けたことから、銀行や投資家はバイデン氏勝利に備え始めた。「バイデン政権」が金融行政で重視しそうな幾つかの項目を以下に示した。

<地域再投資法ー融資の「格差」是正へ適用拡大>

新型コロナのパンデミックで米国における人種や貧富の格差が浮き彫りになり、民主党は問題解決のためにさまざまな政策手段を行使しようとしている。その中に含まれるのが1977年に成立した地域再投資法(CRA)で、公正な融資の実現を図る狙いから、銀行が低所得地域への貸し出し実績について当局が評価基準を設けることが定められている。バイデン氏は選挙戦で、この法律の趣旨を住宅ローンや保険会社などにも拡大適用すると公約している。

<住宅金融公社の再民営化にストップ>

手頃な価格で買える住宅の危機的な供給不足は、民主党とバイデン氏にとって優先的な対処が必要な課題の1つだ。バイデン氏が政権の座につけば、ファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)の政府管理を終わらせようとするトランプ政権の計画を止める公算が大きい。両社の再民営化は中低所得層の住宅ローン負担を増大させかねない、と民主党は懸念している。

<消費者保護基盤の強化>

バイデン氏は、2009年の金融危機を受けて設立されトランプ政権下で活動が鈍った消費者金融保護局(CFPB)の基盤強化を訴えている。消費者金融に対する監督をより厳格化し、差別的な融資慣行を取り締まるべきだ、というのがバイデン氏の意向だ。

特に目を引く政策案の1つに挙げられるのが、エクイファックスやトランスユニオンなどと競合できる公的な信用情報機関の創設。バイデン氏陣営によると、現在の個人信用情報の取り扱いは不公平でマイノリティーを排除していると一部調査で報告されており、そうした人種間の格差を最小化するのが同機関の役割だという。

<気候変動リスク>

民主党の有力議員や政策の専門家は、上場企業に対して事業にかかわる気候変動リスクの情報開示を強く促すとともに、そうしたリスクを金融規制システムに盛り込むことを提唱している。バイデン氏は気候変動対策の速やかな実行を求めており、専門家によると同氏が起用する担当高官はそうした構想を推進していくだろうという。

<破産制度改革-左派の意見取り入れ>

バイデン氏は、消費者保護運動に熱心な民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員が掲げる破産制度の改革を政策案として採用した。自身が上院議員だった時期の反対姿勢を180度転換した形だ。ウォーレン氏の提案では、個人破産手続きがこれまでよりも簡単になり、また手続き中は住宅や自動車といった資産は債権者から守られる。実施するには11月3日の選挙で民主党が上院の過半数議席を確保し、正式に法制化される必要がある。

<郵政公社の銀行業参入>

バイデン氏は、米国郵政公社(USPS)に基本的な銀行業務の展開を認めるという民主党左派が長らく唱えてきた政策を支持している。左派の主張によれば、これまで銀行と取引できなかった人たちが低コストでUSPSの銀行サービスを利用できれば、高利貸しや手数料が高額な小切手換金業者を使わずに済み、経済格差の縮小に役立つという。

ただ銀行業界は、税金を原資とする組織の参入に反対し、計画阻止のために闘う姿勢を明らかにしている。

(Pete Schroeder記者)

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