[ニューヨーク 26日 ロイター] - 11月の米中間選挙に向けた予備選挙が26日に各地で行われ、米下院民主党ナンバー4で、11期目を目指していた現職のジョセフ・クローリー下院議員(ニューヨーク州)が、民主社会主義者のアレクサンドリア・オカシオ・コルテス氏(28)に敗れる番狂わせが起きた。
党内で左派が伸張していることを示唆した形だ。クローリー氏はこの14年間、党内で対抗馬がいなかった。民主党内はペロシ下院院内総務率いる主流派と、2016年大統領選の予備選でヒラリー・クリントン氏と指名を争ったバーニー・サンダース上院議員の考え方に共感するリベラルな派閥とが対立しており、ニューヨーク州予備選の結果を受けて、さらに亀裂が深まる可能性がある。
中間選挙で民主が下院の過半数を奪取した場合、クローリー氏は下院議長の有力候補に名を連ねる可能性があった。この日の敗北を受けて、同氏は本選ではオカシオ・コルテス氏を支持すると表明した。
26日はニューヨーク州のほか、コロラド、メリーランド、ミシシッピ、オクラホマ、サウスカロライナ、ユタの計7州で共和・民主両党の候補者を決める予備選が行われた。
共和予備選では、トランプ大統領が支持を表明したサウスカロライナ州の現職知事、ヘンリー・マクマスター氏と、ニューヨーク州スタテン島下院選挙区の現職議員、ダン・ドナバン氏が指名を決めた。トランプ氏の党内の影響力を印象付ける結果となった。
トランプ大統領は「ニューヨークとスタテン島の友人たちは、自分たちがいつも誇りに思っている人を選んだ」とツイートしてドナバン氏を祝福した。
同選挙区では、民主が本選で共和から議席を奪う可能性もあるとみられている。
民主が下院(定数435議席)で過半数を獲得するには、中間選挙で23議席を積み増す必要がある。
コロラド州の民主予備選では、党の体制派であるジェイソン・クロウ氏が、バーニー・サンダース氏寄りのグループ「私たちの革命」を後ろ盾とするリベラル派のリーバイ・ティルマン氏を破り、下院選挙区の候補指名を決めた。本選は、現職のマイク・コッフマン共和党議員と争うことになる。
コロラド州知事選の民主予備選では、ジャリッド・ポリス下院議員が指名を獲得。本選で勝利すれば、米国で初めて、自分が同性愛者だと公表している州知事が就任することになる。
*内容を追加しました。