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アングル:米9月雇用統計、失業率低下でもトランプ氏の追い風とならず

[2日 ロイター] - 米労働省が2日発表した9月雇用統計の失業率は7.9%と、前月の8.4%から下がった。通常ならば、あと1カ月後の選挙で再選を目指す現職大統領にとって歓迎に値する大幅な低下だが、今は平時ではない。

 10月2日、米労働省が2日発表した9月雇用統計の失業率は7.9%と、前月の8.4%から下がった。通常ならば、あと1カ月後の選挙で再選を目指す現職大統領にとって歓迎に値する大幅な低下だが、今は平時ではない。写真は6月18日、ケンタッキー州で失業保険申請のため並ぶ人々(2020年 ロイター/Bryan Woolston)

ビザの主席米国エコノミスト、マイケル・ブラウン氏は、トランプ大統領が新型コロナウイルス感染を公表したこともあり、有権者は経済統計よりもコロナ関連のニュースに重きを置くのではないかとみている。

また9月の失業率は、戦後最悪の14.7%を記録した4月から急速に下向く流れにあるのは確かとはいえ、雇用統計の詳しい内容を分析していくと、経済が日常に戻っているというトランプ氏の主張が簡単に当てはまらないことが分かる。

例えば新規雇用の伸びは鈍い。2月以降に米国が失った2200万人の雇用のうち、これまでに取り戻せたのはおよそ半分だ。ステート・ストリート・アドバイザーズのチーフ投資ストラテジスト、マイケル・アローン氏は「残り半分を再び確保するには、多大な骨折りを強いられる」と警告する。

特に9月で目立つのは、約86万5000人の女性が労働力人口から退出したことで、男性の4倍前後に上る。退出女性の3分の1強は、トランプ氏と野党・民主党候補のバイデン前副大統領の双方にとって勝利の鍵を握る中南米系だった。

これほど多くの女性の労働力人口からの退出は、学校再開の時期と一致した。子どもたちは総じて在宅でオンライン授業を受けている。左派系シンクタンク、センター・フォー・アメリカン・プログレスのエコノミスト、マイケル・マドウィッツ氏は、この状況が有権者の支持を得ることにつながるとは到底思えないと述べた。

一方、マーケット大学のアンバー・ウィチョウスキ教授(政治学)が数千に及ぶ地方選の動向を調べたところ、失業率が高いほど投票率が上向く傾向があり、失業者が多い場合、民主党よりも共和党の現職が有権者から「お仕置き」を受ける公算が大きいことが判明した。

ただウィチョウスキ氏によると、11月3日の大統領選は全然違うパターンになってもおかしくない。コロナ危機によって有権者が投票所に行って感染する危険を懸念すれば、投票率が抑えられる可能性があるからだ。

地方選と異なり、大統領選では失業率と投票率、選挙結果の間にはっきりした相関性を見つけ出しにくいという面もある。

失業率が現在とほぼ同じだった局面を見ていくと、1976年は民主党のジミー・カーター氏が共和党のジェラルド・フォード氏を破り、1980年はそのカーター氏に共和党のロナルド・レーガン氏が勝利。1992年は民主党のビル・クリントン氏が共和党のジョージ・H・W・ブッシュ氏を退け、2012年は民主党のバラク・オバマ氏が再選を果たした。

(Ann Saphir記者)

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