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情報BOX:米金融界の政治献金、民主党向けの比重が増加

[ワシントン 27日 ロイター] - 米国ではここ数年、金融街ウォールストリートに拠点を置く銀行とその従業員たちは左派への傾倒を深めており、政治献金でも民主党に配分される比率が増大している。

理由のひとつは、2009年金融危機以前に銀行業界が享受していた共和党と民主党双方からの超党派的なサポートを取り戻そうと同業界が試みていることだ。あの危機を境に、民主党の多くは銀行業界に批判的になってしまったからである。

米政治資金監視団体センター・フォー・レスポンシブ・ポリティクス(CRP)がまとめたデータに基づき、2020年の選挙サイクルを分析してみよう。

<ジョー・バイデン対ドナルド・トランプ>

11月3日の米大統領選の投票日を前にして、選挙戦の最後の数カ月に集めた選挙資金の総額では、民主党が指名したジョー・バイデン候補が共和党のドナルド・トランプ大統領を大幅に上回っている。銀行業界からの献金獲得額を比べても同様だ。

CRPのデータによれば、バイデン氏の陣営やその運動を支援する他の政治資金団体は、商業銀行各社から約300万ドル(約3億1300万円)の献金を得た。これに対し、トランプ氏は140万ドル強に留まっている。

ちなみに、2009年金融危機後、最初の大統領選となった2012年の場合、共和党指名のミット・ロムニー候補は商業銀行及びその従業員から約550万ドルを集め、これに対し民主党のバラク・オバマ大統領は約200万ドルだった。

CRPのデータによれば、ロムニー候補への献金額上位5位までがウォールストリートの銀行及びその従業員だったが、オバマ大統領への献金額上位には金融機関は1社も入っていなかった。

<連邦議会選挙における政治献金>

 米国ではここ数年、金融街ウォールストリートに拠点を置く銀行とその従業員たちは左派への傾倒を深めており、政治献金でも民主党に配分される比率が増大している。写真はニューヨーク証券取引所前に設置されているジョージ・ワシントン像。26日撮影(2020年 ロイター/Mike Segar)

2020年の選挙期間を通じて、連邦議会選挙を戦う共和党・民主党の候補者に対する商業銀行及びその従業員からの選挙資金献金額は、それぞれ1400万ドル、1360万ドルとほぼ拮抗している。

これは4年前に比べると大きな変化だ。当時、共和党の候補者に対する銀行業界からの献金は1890万ドルで、民主党候補に対する献金額の2倍近くに達していた。

2012年にはさらに偏りがあり、銀行業界からの献金額のうち、民主党候補が獲得した比率は29%にすぎない。

今回の選挙期間中、大統領候補、連邦議会選挙における現職候補・新人候補を合わせ、銀行・銀行従業員から受け取った献金額で見た上位20人のうち、10人が民主党候補または左派独立系候補である。2012年には6人だった。

<政治献金を獲得しているのは誰か>

上位20人のうち、トランプ大統領とバイデン候補を除いた最上位は、金融産業に批判的な進歩派として大統領選挙に出馬していたバーニー・サンダース氏で、83万1096ドルを集めている。

これは一見すると意外な結果に思えるが、民主党内の予備選挙でバイデン候補に敗れた独立系のサンダース氏は、多くの産業からの献金額がトップとなっている。銀行に勤務する人々も含め、何百万人もの米国民から草の根の支持を得ているためだ。

だが、銀行の政界対策担当部門が配分する資金だけに注目すると、様相は変わってくる。

首位に立つのは、22万6000ドルを集めたブレイン・ルートケメイヤー下院議員(ミズーリ州選出)だ。銀行業界にとって鍵となる下院金融サービス委員会に名を連ねる共和党重鎮の1人である。これに続くのは、やはり同委員会における代表的な共和党議員であるパトリック・マクヘンリー下院議員(ノースカロライナ州選出)で、銀行の政治委員会からキャッシュで18万5500ドルを集めている。

こうして見ると、銀行の従業員の多くは、業界幹部に比べ、より進歩的な議員を好んでいるようである。

銀行から受け取った政治献金額で見た上位20人の構成は、共和党14人、民主党6人である。民主党のなかで最も献金額が多かったのは、下院金融サービス委員会のベテラン委員であるグレゴリー・ミークス下院議員(ニューヨーク州選出)で、14万ドルを集めた。

今回の選挙期間中の献金額上位20人のほぼ全員が、銀行業界を担当する委員会のメンバーとなっている。

<銀行は誰を支持しているのか>

選挙資金の献金以外にも、銀行業界は今年の(大統領)選挙期間中、もっと直接的な役割を演じている。代表的な業界団体である米国銀行協会(ABA)は、連邦議会選挙に立候補した14人を応援する広告を出している。

14人のなかには、共和党のトム・ティリス上院議員(ノースカロライナ州選出)や元バンカーであるフレンチ・ヒル下院議員(アーカンソー州選出)など、銀行業界の盟友が含まれている。またABAは党派を超えた連携の構築をめざしており、ジョシュ・ゴッテイマー下院議員(ニュージャージー州選出)やクリス・クーンズ上院議員(デラウェア州選出)など、何人かの穏健派民主党候補についても応援広告を出している。

ABAは、国内で最も激戦とされるいくつかの選挙区にも力を入れており、共和党のスーザン・コリンズ(メイン州選出)、コリー・ガードナー(コロラド州選出)両上院議員を応援する広告を出している。どちらもティリス上院議員と同様に、民主党が議席獲得をめざして重要な標的としている与党議員である。

(翻訳:エァクレーレン)

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