[ワシントン 8日 ロイター] - ブリンケン米国務長官は8日、米外交官らに「ハバナ症候群」と呼ばれるさまざまな神経系の健康被害を引き起こしたとみられる指向性無線周波数による攻撃について、原因究明に向けて政府全体で調査していると述べた。
ロシアなど国家による関与が疑われれば問題提起する考えも示したが、現時点で原因は判明していないとした。
ブリンケン氏は「(バイデン)大統領の指示により、国家安全保障会議(NSC)主導で情報機関や国務省、国防総省を含む政府全体の調査を調整しているところだ。何が原因なのか、誰かがやったことならそれは誰なのか突き止め、被害を受けた人に対処しようとしている」と述べた。調査の完了時期は不明。
バイデン大統領がロシアのプーチン大統領との来週の会談でこの問題を取り上げるかとの質問に対しては、根本原因や、加害者がいるとすればそれが誰なのか、米政府はまだ特定していないと強調した。
2016年以降、キューバ駐在の米外交官ら数十人が聴覚障害やめまい、頭痛、倦怠感など、軽度の脳損傷と一致する症状を相次いで訴えている。
米紙ニューヨ-ク・タイムズは先月、欧州やアジアなどの米政府職員130人超が不調を訴え、今年に入って起きた事例もあると報じた。
米国務省は18年6月、同様の症状を訴えた外交官を中国の広州から帰国させたことを明らかにしている。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」