[18日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のバランスシートは17日までの週に、前週の7兆2200億ドルから7兆1400億ドルに縮小した。バランスシートが縮小するのは、FRBが新型コロナウイルス危機への対応として、政策金利をゼロ付近に引き下げ、一連の緊急支援策を打ち出す直前の2月末以降初めて。
縮小幅は742億ドルと週間で2009年以来の大きさとなった。
外国中銀との通貨スワップ協定の利用が大幅に減少したことや、緊急対策として導入された他のクレジット・ファシリティーの需要低下を反映した。
通貨スワップ協定に基づく外国中銀へのドル供給は前週の4445億ドルから920億ドル減少し、3525億ドルと4月初旬以来の低水準となった。
TDのシニアストラテジスト、ジェナディ・ゴールドバーグ氏は通貨スワップ協定の利用減少について、金融機関が欧州中央銀行(ECB)の貸出条件付き長期資金供給オペ(TLTRO)に備えたか、もしくは別の方法で資金を調達できている可能性があると指摘した。ECBは18日、3年物TLTROを通じて市中銀行に過去最高となる1兆3100億ユーロ(1兆4700億ドル)を供給した。
一方、米国債保有は前週から190億ドル近く増加し、4兆1700億ドルと過去最大を記録した。住宅ローン担保証券(MBS)の保有も1兆9200億ドルと前週から831億ドル増加。増加幅は過去5週間で最大となった。
FRBは最近、社債買い入れプログラムのセカンダリーマーケット・コーポレート・クレジット・ファシリティー(SMCCF)について、社債に投資する上場投資信託(ETF)に加え、社債を直接購入するため微調整したが、それ以降、大規模な買い入れは開始しておらず、 同ファシリティーを通じた購入額は15億ドル増の389億ドルだった。
このうち80%超は米財務省の資金で、数週間前の社債ETF買い入れ開始以降の社債とETFの購入総額は70億ドル超だった。
*内容を追加しました。
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