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米銀大手6行、気候変動リスクの影響分析へ FRBが報告指示

[ワシントン 17日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は17日、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェース、モルガン・スタンレー、ウェルズ・ファーゴの最大手6行に対して、気候変動関連で想定されるリスクが事業に及ぼす影響のシナリオを分析し、7月末までに報告するよう指示した。

 米連邦準備理事会(FRB)は1月17日、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェース、モルガン・スタンレー、ウェルズ・ファーゴの最大手6行に対して、気候変動関連で想定されるリスクが事業に及ぼす影響のシナリオを分析し、7月末までに報告するよう指示した。2018年8月、ワシントンで撮影(2023年 ロイター/Chris Wattie)

こうしたリスクから金融システムを守るためのFRBによる試験的な取り組みとみられている。

具体的に各行は、不動産ポートフォリオが災害などの「物理的リスク」でどうなるか、2050年までの温室効果ガス排出量実質ゼロ化を目指す国際的な動きが企業向け融資にどう響くか、といった分析を進める。

FRBによると、これらの分析は正式な見通しでも、政策対応でもない。その狙いは、デフォルト(債務不履行)や貸し倒れ損失、銀行の内部リスク評価の観点で気候変動関連リスクがどのように顕現化してくるかの理解を深めることだ。

FRBのバー金融監督担当副議長は「FRBは気候変動関連の金融リスクについて範囲は狭いながらも大事な責任を負っており、銀行が同リスクを含む重大なリスクを確実に理解し、管理する道筋をつけなければならない。本日われわれが表明した措置は、監督機関と銀行が浮上しつつある気候変動関連の金融リスクを分析し、管理する能力を向上させることになる」と説明した。

6行の分析報告結果の概要は年末ごろに公表する見通し。個別行ごとの分析内容は明らかにしないという。

銀行各行は、米北東部で大規模なハリケーンが発生した場合、および国内の別の場所で火災や干ばつなどが起きた場合、住宅・商業用不動産ローンポートフォリオにどういった影響が及ぶかについて分析する。

また、化石燃料の使用が続いた場合と、50年までに温室効果ガス排出量実質ゼロ化が実現した場合の2つのシナリオについて、法人・商業用不動産融資への10年間の影響について分析を行う。

フィッチ・レーティングスのシニアディレクター、マーク・ナロー氏は、銀行の脆弱性、ガバナンス、リスク管理を理解する上で「前向きな動き」と評価した。

一方、非営利団体ベター・マーケッツのデニス・ケレハー代表は「前進ではあり、何もしないよりは良い」としつつも、トレーディングブックや投資銀行ポートフォリオのパフォーマンス評価が義務付けられていないこと、ハリケーンやその他の気候ショックの際に商業ローンにどう影響するかを評価する必要がないことを理由に、「弱いスタート」とした。

今回の気候変動リスク影響分析報告は、経済にショックが発生した場合に損失をカバーする十分な資本があるかどうかを調べるいわゆる健全性審査(ストレステスト)とは別。FRBは「調査の性質を持つ」試験的なものであり、「銀行の資本や監督」面の含意はないとしている。

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