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[ニューヨーク 30日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のクック理事は30日、FRBのインフレ抑制策について、そろそろアクセルから足を離す時期に来ている可能性があるとの見方を示した。
クック氏はデトロイト経済クラブでの講演で「インフレ率は依然として高すぎる。FRBはインフレ率を目標の2%まで引き下げることに引き続き注力しなければならない」と述べた。
その上で、今年に入ってから極めて積極的な利上げを行ったことで、FRBはペースを落とし、これまでの政策が経済にどのような影響を及ぼしているか把握する余地が生まれていると指摘。FRBが利上げの「不確実な」停止点に向かって進む中、「より小さなステップで動くのが賢明だ」とし、「いつまで制約的な金融政策を維持するかは、インフレ抑制の進捗次第になる」と述べた。
「インフレデータに幾分の改善が見られ始めた」ものの、物価圧力が弱まっていると判断する前に「1カ月の比較的良好なデータを過度に解釈することには慎重だ」とした。
現行の賃金上昇ペースはFRBの2%の物価目標と整合する水準を超えているとしたほか、米国の生産性水準は低いものの、時間の経過とともに改善することが予想されるとし、米国の製造業は健全とした。
また、FRBが「容認できないほど高水準の」インフレ抑制に向け利上げを進める中、イールドカーブの反転が「予測力を持つと確信する経済的な理由はない」とし、景気後退のシグナルと解釈するには「注意深く謙虚に」考慮するよう促した。
金融セクターに関しては直近の問題に十分持ちこたえており、暗号資産(仮想通貨)分野での問題が銀行に広範な問題を引き起こしているわけではないとした。
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