[フォートウェイン(米インディアナ州) 14日 ロイター] - 米サンフランシスコ地区連銀は14日、同連銀のリサーチ部門主任のメアリー・デイリー氏(55)を次期総裁に指名したと発表した。
10月1日付で就任し、11、12月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つことになる。
ウィリアムズ前総裁が6月にニューヨーク連銀総裁に就任してから、同ポストは空席となっていた。
デイリー氏は、経済格差や賃金動向、労働力ダイナミクスなどの研究で知られる労働経済学者で、段階的なペースでの利上げを支持する公算が大きい。
高校を中退したが、後にシラキュース大学で博士号を取得。1996年にサンフランシスコ地区連銀のリサーチ部門に入り、17年から同部門の主任を務める。
デイリー氏の就任によって、地区連銀の女性総裁は3人となる。また、同氏は同性愛を公表している初のFRB幹部となる。
デイリー氏は7月、米経済見通しは「驚くほど明るい」と判断。その上で、失業率が低下を続けるとの見通しを示しつつも、「賃金インフレ高進の兆候が限られる中、総合インフレが短期的に高進する兆候もほぼない」との認識を示した。
同時に、FRBは金利を低水準にとどめることで、経済を過熱させることはできないともけん制。「経済の拡大を維持しながら、景気を過熱させないよう、インフレ高進を回避することが必要だ。しかし、『パンチボウル(緩和的金融政策)』を早期に片付けてしまうことで、景気を冷え込ませることも望ましくない」と述べた。
イエレン前FRB議長は「デイリー氏は素晴らしいエコノミストで、労働市場に関するFRBの理解を深めることに大きく寄与してきた」と賞賛している。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」