[22日 ロイター] - 米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は22日、インフレ統計に改善が見られない限り、7月も大幅な利上げを支持する可能性が高いとの立場を示唆した。また、物価上昇圧力を鈍化させることが、米連邦準備理事会(FRB)の優先課題とした。
同総裁は講演後、7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)に関する見通しを記者団に問われ「75ベーシスポイント(bp)は議論するのに非常に妥当なところだ」と回答。「75bpは、インフレデータが想定ほど速やかに低下していないという強い懸念の継続に合致すると思う」と述べた。
急速な金利上昇は、景気悪化のリスクを高めるとも指摘。「需要を減速させ、供給と一致させようとすれば、当然リスクを負うことになる」とし、こうした状況を非常に正確に微調整できる能力は、FRBにはないとの見方を示した。
「金利上昇局面でソフトランディング(軟着陸)を常に試みる金融政策にとっての課題は、何か別のことが起こり、それがさらなるショックとなって景気を悪化させることだ」とし、イラクのクウェート侵攻で1991年に経済がリセッション(景気後退)に陥った事例を挙げた。
ロシアによるウクライナ侵攻や新型コロナウイルス感染拡大による中国のロックダウン(都市封鎖)などがリスクだが、FRBは職務を遂行すると強調。
「われわれが第一に考えるのは、インフレ圧力から確実にガス抜きをすることだ」とした上で、成長を適度に制限する程度に金利を高くする必要があるという「非常に強い」コンセンサスが、FRBにはあると述べた。
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