[ワシントン 11日 ロイター] - 米カンザスシティー地区連銀のジョージ総裁は11日、政策金利を予想よりも速いペースで変更すれば経済や金融市場に負荷がかかる恐れがあるとし、現在のように不確実性が高い環境下では、よく説明した上で着実に利上げを行っていくことが望ましいとの考えを示した。
ミズーリ州での労使に関する会議で、インフレ率が40年ぶりの高水準にあることから「政策緩和を継続するケースは明確だ」とした上で、ただ「利上げのスピードについては未解決の問題だ」とし、利上げペースは「経済や金融市場の状況と慎重にバランスを取る必要がある」とした。
また「家計や企業が適応するには、利上げペースはすでに歴史的な速さになっている」とし、「これ以上急激に金利水準が変更されれば、経済や金融市場にひずみが生じる恐れがある」と指摘。「金利の道筋を伝えることは、そこに至るスピードよりもはるかに重要な可能性がある」とし、7月の公開市場委員会(FOMC)で75ベーシスポイント(bp)の追加利上げに反対する可能性を示唆した。
その上で「利上げ開始からわずか4カ月で、景気後退(リセッション)リスクを巡る議論が高まり、FRBは来年にも利下げに転じるとの予測が出ていることは注目に値する」と述べた。
連邦準備理事会(FRB)が6月の会合で75bpの大幅利上げを決定した際、ジョージ総裁は50bpの利上げを主張し、反対票を投じた。
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