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[ワシントン 12日 ロイター] - 米カンザスシティー地区連銀のジョージ総裁は12日、米経済が直面する最も顕著なリスクの一つとして、新型コロナウイルスワクチンの普及の遅れが挙げられる一方、ワクチンの普及に成功すれば経済は回復するという考えを示した。
個人が貯蓄の余剰分を消費に回す可能性があり、企業も世界的大流行(パンデミック)の影響で縮小した在庫の再構築を迫られる中、「今年も景気の回復が続くものとおおむね楽観している」と表明した。
同時に、景気の回復は「ワクチン接種プログラムの成功と普及にかかっており、ワクチン接種の大幅な遅れや混乱が見通しに対する最も顕著なリスクの一つになる」と指摘。新型コロナが日常の意思決定から切り離されるまで、持続的かつ強固な回復を想像することは難しいと述べた。
金融政策の変更時期について「憶測を述べることは時期尚早」だが、コロナ禍により労働市場が受けたダメージの程度などを判断する中で、コロナ後の金融政策を巡る議論は課題に直面する可能性が高いと予想。物価の高進が短期的な脅威になるとは考えにくいものの、コロナ後に物価が予想以上に早く目標に近づくこともあり得るとした。
連邦準備理事会(FRB)は必要に応じて物価を抑制する手段を持ち合わせているが、物価の伸びが目標の2%を多少上回る程度にとどまるなら対応しないと発言。失業率は3.5%の水準が完全雇用を判断する上での一つの節目になるとした。
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