for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up
コラム

コラム:パウエル氏のFRB議長続投、実現率が高そうな情勢

[ワシントン 3日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 時には予測可能な選択肢が最善の手になる。バイデン米大統領にとって、連邦準備理事会(FRB)の次期議長に改めてジェローム・パウエル氏を指名するのがそれに当てはまる。パウエル氏の指名人事は恐らく、上院で大した異論が出ずに承認される。それでバイデン氏は別の政策実現に向けた取り組みに専念できるだろう。

 時には予測可能な選択肢が最善の手になる。バイデン米大統領にとって、連邦準備理事会(FRB)の次期議長に改めてジェローム・パウエル氏(写真)を指名するのがそれに当てはまる。9月、ワシントンで代表撮影(2021年 ロイター/Sarah Silbiger)

パウエル氏の議長続投はまだ確実にはなっていない。1つの問題はインフレにある。9月の個人消費支出(PCE)物価指数の前年比上昇率は4.4%と、過去30年で最も高い伸びを記録。このためパウエル氏の「物価高騰は一時的」という主張を正当化するのが難しくなっている。

FRBは3日、毎月1200億ドル規模で実施してきた債券買い入れ(量的緩和)の縮小を開始すると表明した。これはFRBによる経済支援措置巻き戻しの始まりと言える。一部のタカ派はなお、物価上昇に歯止めがかからなくなることをリスクと考えている。しかし次期議長レースでパウエル氏の対抗馬筆頭とみなされるブレイナード理事は、金融政策運営姿勢はハト派だ。別の候補とされるアトランタ地区連銀のボスティック総裁も、最近タカ派寄りの発言をしているとはいえ、これまで緩和的な政策を支持してきた。

民主党左派は、パウエル氏を好んでいない。もっとも今週のバージニア州知事選で民主党候補が敗北したことを受け、彼らの発言力は弱まるかもしれない。バイデン氏が打ち出した歳出法案を審議している議会も状況は同じ。そこで重要な存在であることが証明されつつあるのは、最も穏健な民主党議員となっている。

さらに何人かのFRB幹部による株式取引を巡る批判がこのところ高まったにもかかわらず、パウエル氏は与野党から幅広い支持を得ている。民主党上院議員のうち、パウエル氏続投に公然と反対しているのはエリザベス・ウォーレン氏しかいない。複数の共和党議員はバイデン氏にパウエル氏を議長にとどめるよう要請。2018年、トランプ前大統領がパウエル氏を議長に指名した際には、上院100人中84人が賛成した。

パウエル氏の再任が承認されるか、別の誰かが議長に指名されれば、どちらにしても今のこう着した事態の打開につながる。もっとも上院がこれまで承認したバイデン氏の人事案件は、オバマ政権の同時期の半分程度にとどまっている。だから例えばブレイナード氏を議長に指名しても、2014年の理事指名で上院の61人の支持しかなかった点を踏まえると、承認にこぎ着けるのはより厳しくなる。バイデン氏とすれば、避けようと思えば避けられる新たな議会とのもめ事を招く必要はない。

イエレン財務長官をFRB議長に復帰させる「奥の手」はあるが、そうなるとバイデン氏は空席となった財務長官という重要ポストをまた埋めなければならない。また予想外の人物を次期議長に選ぶことが、投資家の動揺を誘う結果につながってはならない。結局、パウエル氏続投への道筋はかなり広がっているようにみえる。

●背景となるニュース

*米連邦準備理事会(FRB)は3日、昨年の新型コロナウイルスのパンデミック発生時に導入した毎月1200億ドル規模の債券買い入れ(量的緩和)の縮小を始めると発表した。今月以降、購入額を米国債は100億ドル、住宅ローン担保債(MBS)は50億ドル減らす。12月からは、継続的な購入額は合計で少なくとも毎月900億ドルになる。政策金利の誘導目標は0─0.25%に据え置いた。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up