[ワシントン 9日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)当局者は9日、9月20─21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)まで公的発言を控えるブラックアウト期間入りを前に、高インフレに対応するために大幅な追加利上げを実施するよう求めた。
FRBのウォラー理事は9日、オーストリア高等研究所向けの講演で「需要を明確に制限する水準に政策金利を設定にするために、現時点で分かっていることに基づき次回会合で大幅な引き上げを支持する」と表明。インフレは高すぎるとし、いつ有意に、かつ持続的に低下するか判断するのは尚早としたほか、リセッション(景気後退)懸念は後退したと述べた。
講演後の質疑応答では、FRBが失業率を5%以下に抑制できる限り積極的にインフレに対応できるが、5%を超えればトレードオフ関係が発生する圧力が高まると指摘。「インフレ率を低下させなければ、重大な事態を招く」とし、経済が衝撃を吸収できるうちに積極的な利上げを進める必要があるとの考えを示した。
米セントルイス地区連銀のブラード総裁は、9月のFOMCで0.75%ポイントの利上げを支持する方向に「一段と強く」傾いていると語った。
米カンザスシティー地区連銀のジョージ総裁は9日、ピーターソン国際経済研究所で講演し、「金融引き締めの効果が実体経済に波及するには時間がかかる公算が大きいことを踏まえ、スピードよりも着実さと目的意識が需要となる」という見解を示した。
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