[オースティン(米テキサス州) 9日 ロイター] - 米ダラス地区連銀のカプラン総裁は、米利上げの根拠はここ数カ月で強まったとの認識を示した。一方で、経済に対する長期的な逆風を踏まえると、米連邦準備理事会(FRB)は極めてゆっくりと利上げを進める余地があるとも述べた。
総裁は記者団に対し「FRBには辛抱強くかつ慎重に行動する余裕がある」と指摘。その上で「金利見通しは、これまでの経験よりかなりフラットになる公算が大きい」とした。
同総裁は、このところの労働市場関連の経済指標から労働市場の改善が続いていることが示されているとし、インフレ率はFRBが目標とする2%に向けて「苛立たしいほど緩慢」な進展しか見られていないものの、向こう数年間にかけて徐々に上昇していくと予想。ただ「総合すると、現時点で景気は過熱していないとみている」と述べた。
同総裁は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)の投票権を持つメンバーではないが、20─21日の討議には参加する。
短期金融市場ではFRBが今月のFOMCで利上げに踏み切る確率は約20%程度との見方が示されている。
カプラン総裁は、FRBが緩和的な政策を引き揚げる機会を模索していることは、市場も十分認識しているはずだとし、「次にどのような動きが適切となるか、向こう数カ月かけて討議していくことになる」と述べた。
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