[28日 ロイター] - 米ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)への寄稿で、銀行はあらゆる危機から政府が救済してくれることを期待すべきでないとし、次回の「予期せぬ衝撃」に備えるため、自己資本の増強が必要だと指摘した。
同総裁は「新型コロナウイルス感染拡大に伴う景気低迷時の大手銀行のパフォーマンスは、大手行が十分に強いことを意味しているのだろうか。決してそうではない」と述べ、銀行部門の損失が予想よりもはるかに小さかったのは、政府が危機の打撃を受けた家計や企業への財政支援を積極的に行ったからだと指摘した。
コロナ危機下の財政当局の景気支援は適切だったとしながらも、これは「銀行救済でもあった」とし、「このような財政面での介入がなければ、銀行部門の損失はもっと大きくなっていた」との見方を示した。
その上で「銀行は自力で回復力を持つべきなのか、それとも常に納税者の寛大さに頼るべきなのかということを国民は判断しなければならない」と述べた。
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