[サンタ・バーバラ(カリフォルニア州) 16日 ロイター] - 米ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は16日、連邦準備理事会(FRB)に物価上昇率の2%超えを容認するよう呼び掛けた。
経済関連会合の講演予定原稿で明らかにした。国内インフレ期待が低く、FRBが将来の景気下降に対応しにくくなっていると指摘した。
FRBの物価上昇率2%目標に触れ、「設計通りに現在の枠組みを実行してこなかった」と指摘。インフレ目標の上振れ、下振れも認める真剣な姿勢を示すため、2%をやや突破することも容認する必要があると訴えた。
危機の真っ只中や回復初期の数年間、金融政策が引き締まり続け、必要以上に鈍い回復ペースにつながったと分析した。FRBは2015年、失業率の「不完全な」シグナルに基づいて利上げに踏み切ったと指摘。実際よりもインフレ加速が進むと判断したという。
異なる政策枠組みなら経済やインフレにより好ましい結果が得られたのかについて、FRBでは模索が続いているが、カシュカリ氏は物価水準目標などの異なる枠組みに懐疑的な見方を示した。
カシュカリ氏は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持っていない。