[サンフランシスコ 10日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は10日、金本位制の復活論を否定した。同時に、トランプ大統領がFRB理事への指名を表明している欧州復興開発銀行(EBRD)米国理事のジュディ・シェルトン氏への批判ではないとも強調した。
パウエル議長は下院金融サービス委員会での証言で、米国が金本位制に回帰すべきかどうかの質問に対し、過去に同制度の復活を支持したことのあるシェルトン氏への批判と「解釈されたくない」と前置きした上で、「金本位制の復活は良い考えとは思わない」と述べた。
議長は、金本位制が復活すれば、FRBは完全雇用と物価安定という二大責務を果たすことが不可能になると強調。さらに「魅力的な制度とは思わない。採用している国はない」と述べた。
金本位制を巡るパウエル議長の見解はシェルトン氏に同意しないことを示唆しているのかとの質問に対しては、自身はFRB人事には関与しないと強調し、「大統領の決定次第だ」とかわした。
同時に、「FRBは何をしているのか分かっていない」というトランプ大統領のコメントに関する質問については、ためらわず反論。議長は、50年ぶりの低水準となっている失業率や2%を下回るインフレに言及し、「現在の経済情勢がFRBの成績表と考えてもらいたい」と述べた。さらに「総じて、米経済は堅調な足取りで推移していると断言できる」と明言した。
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