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米、債務不履行や資産価格下落の波になお直面=FRB報告書

[ワシントン 9日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は9日公表した金融安定報告書で、米国では新型コロナウイルスの流行とリセッション(景気後退)により、依然として債務不履行や資産価格の「大幅下落」が相次ぐ可能性があると警告し、米経済が危機脱却から程遠い状況にあることを改めて示した。

 米連邦準備理事会(FRB)は11月9日公表した金融安定報告書で、米国では新型コロナウイルスの流行とリセッション(景気後退)により、依然として債務不履行や資産価格の「大幅下落」が相次ぐ可能性があると警告し、米経済が危機脱却から程遠い状況にあることを改めて示した。写真はFRB、ワシントンで5月撮影(2020年 ロイター/Kevin Lamarque)

報告書は「多くの家計が引き続き厳しい状況にある中、債務不履行が増加し、(貸し手の)大幅損失につながる可能性がある」と指摘。企業債務についても、「業績低迷期を乗り切るために借り入れが増える中で急増している。経済活動の大幅低下に伴う全般的な収入減少はこうした返済義務を果たす企業の能力を低下させている」とした。

また、資産価値は「投資家のリスクセンチメントが悪化したり、景気回復ペースが鈍化したりすれば、依然として大幅に下落しやすい状況にある」とした。

FRBは前回5月の金融安定報告書で、米国は「深刻な」リスクに直面していると警告していた。ただ、金融市場の機能を維持するためにFRBが実施した融資や他の措置、政府による家計や企業向け支援策などにより、これまでのところ最悪の結果は免れている。

FRBは今回の報告書で「企業・家計部門の緊張はこれまでのところ、大規模な政府の支援プログラムや低金利によって緩和されている」とした。

銀行についても、2007─2009年の金融危機後に導入された規制の下で資本準備を拡大させたとし、引き続き十分な資本基盤を有しているとした。

ただ、こうした状況は、新型コロナの感染がさらに拡大し、回復の初期段階にある経済が圧迫され、企業や家計の債務不履行につながれば、維持できなくなるリスクがある。

9日には製薬大手ファイザーPFE.Nが、開発中の新型コロナウイルス感染症ワクチンの臨床試験(治験)で感染を防ぐ有効率が90%を超えたと発表し、期待感も広がっている。しかし、感染者の急増で各地の病院では医療体制が逼迫し始めているほか、一部の地域では新たな規制を導入する動きも出ている。

FRBはまた、不動産市場について、空室率が上昇し、賃料の上昇ペースが鈍化したり、低下に転じたりする中、悪化の兆候が見られると指摘した。

小規模事業の間では「新型コロナの流行以降、信用の質が顕著に悪化しており、まだ安定していない。危機の中、多くの小規模事業が閉鎖したり、規模を縮小したりしている」とも指摘。

「短期的には、新型コロナの動向とそれによる米経済や世界経済への影響に伴うリスクは依然として高い」とした。

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