June 15, 2016 / 9:52 PM / 2 years ago

イエレン米FRB議長の会見要旨

[ワシントン 16日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は15日まで開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利の据え置きを決定した。ただ、米労働市場は再び力強さを増すとの見方を示し、年内2回の利上げを実施するとの姿勢を示した。

 6月15日、米連邦準備理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利の据え置きを決定した。写真は会見するイエレン議長(2016年 ロイター/Kevin Lamarque)

イエレンFRB議長がFOMC後の会見で行った発言の要旨は以下の通り。

<成長は上向く>

これまでの第2・四半期指標は、成長がかなり持ち直していることを示唆している。この回復は、全般的な経済活動は今後数年、緩やかなペースで拡大するとの委員会の見通しを支える主な要因だ。

<中立金利>

中立金利、つまり経済が最大雇用の状態で推移するのに適切な金利水準は、現時点で低いと考える十分な理由がある。そしてわれわの大半は基本シナリオとして、中立金利がいずれ上昇すると想定することが妥当だと考えている。だが確信はない。不確実性の1つであり、双方向に見直しの可能性がある。だが最新のFRB経済見通しでは下方修正が主だった。

<賃金の伸び>

労働市場のスラック(緩み)が解消し、労働市場が最大雇用と整合する状況に近づいている兆候とみなすにはいく分より速いペースでの賃金増が必要だと考える。賃金の伸びが加速に向かっている初期の兆しがみられる。これは労働市場が全般的に健全な兆候だ。

<政策と今後の選挙>

われわれは政治を考慮に入れず、経済見通しの評価や適切な変更を行うことにかなり集中して取り組んでいる。

仮に向こう数カ月中に公表されるデータが、見通しに照らして、われわれが適切とみるペースで徐々に利上げを行うことを正当化する内容なら、(徐々に利上げを進めても)市場は驚かないだろう。FOMCは適切と考えれば、今後数カ月中にためらわず行動する。

<海外情勢など不透明>

今年や来年に何回利上げすべきかをFOMC全体で議論したことは一度もなく、それはFOMCが決めることではない。FOMCは毎回の会合で決定を行い、会合で何を検討しているか、何が決定の根拠となるかを説明するよう心がけている。先に申し上げたように、まず海外情勢の不透明性が大きい。英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)問題では、国民投票の結果が将来の政策を決定する上で考慮する要因となる。経済成長や労働市場の進展継続も検討材料だ。

<利上げに決まった道筋ない、7月「不可能ではない」>

(利上げを行なうにあたり)十分な勢いがあることを確認する必要がある。こうしたことがいつ確認できるのかは分からない。毎回の会合で行動を起こす可能性がある。行動を起こす可能性のない会合はない。 利上げを行う可能性のない会合はない。

経済指標をみる必要があり、時期について事前に特定することはできない。次回会合、次々回会合と特定するのは心地悪いが、可能性はある。不可能ではない。

例えば、われわれが完全に良好な軌道に乗っていることを示す指標が7月までに得られることは不可能ではない。

<見通し、毎回の会合で行動する可能性>

消費支出の減速については、ファンダメンタルズからかい離しているようにみえる。われわれは上向くと予想していたし、上向いたとの非常に力強い確証も得ていた。

ただ労働市場は今は減速したようにみえ、われわれは経済の基調的な勢いが衰えていないことを確認する必要がある。

このため、労働市場の一段の改善に十分なペースで雇用創出が継続することを確認するために労働関連指標を注意深く検証し、われわれの予想に沿って成長が上向いていることを確認するために消費関連の指標も注視する。

毎回の会合で行動を起こす可能性があり、どの会合でもフェデラルファンド(FF)金利を調整する決定を下す可能性があるが、決定を行うにあたり、以上に述べたことがが必要となってくる。

<他国の金融政策、米FRBの足かせとならず>

海外経済の状況、成長見通しや金融政策スタンスは、米見通しや適切な金融政策スタンスに影響を及ぼす要因だ。米国の金融政策姿勢に関係するのは確かだが、金融政策の足かせとなっているとまでは言わない。

<労働市場>

労働市場の状況はなお健全だが、一部勢いが失われた感じはある。減速の理由が何であったのか、正確に言うことは難しい。特に労働市場をめぐる他の指標がなお堅調である時に、1回の経済指標を深読みするべきではない。

FOMCも、自分自身も、労働市場の進展が頓挫したとは考えていないし、予想もしていない。

<労働市場の減速>

労働市場の改善ペースは直近で著しく減速した模様だ。4・5月の雇用増は平均で月当たり約8万人にすぎなかったと推計される。最近の労働市場データが失望を誘う内容となったが、1-2カ月分の指標に過剰反応しないことが重要だ。委員会は引き続き、労働市場が今後数年間さらに強まると予想している。労働市場を注視していく。

<慎重な政策>

慎重に対応し、金利目標を引き上げることで、経済成長の緩やかなペースへの回復や労働市場の一段の強まり、インフレの2%目標への推移継続を確認することが可能となる。短期金利はゼロ近傍にとどまっており、慎重さがなおさら適切となる。すなわち金融政策は、労働市場の弱まりやインフレ低下に対するよりも、予想外に強いインフレ圧力に対して一層効果的に対処できる。

<英国による欧州連合(EU)離脱>

英国によるEU離脱(ブレグジット)について討議した。この問題は、今日の決定に織り込まれた1つの要素であったと言うのが公平だろう。

これは英国、および欧州にとり非常に重要な決定となる。世界的な金融市場における経済・財政状況に影響が及ぶ可能性がある決定だ。離脱すれば米経済見通しにも影響が及び、政策の適切な道筋を決める1つの要素となる。英国によるEU離脱問題は明らかにわれわれが討議した不透明な要素の1つで、今日の決定に織り込まれている。

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