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アングル:ブラックマンデー以来の株価急落から1年、市場はどう変わったか

[ロンドン 15日 ロイター] - 新型コロナウイルスの感染拡大を巡る懸念から、米S&P総合500種の下落率が1日として過去2番目に大きい12%を記録したのが、1年前の2020年3月16日だ。S&P総合500種は1987年10月の「ブラックマンデー」以降最悪の下げに見舞われ、MSCIの世界株指数も約10%急落した。だが中央銀行の途方もない支援のおかげで、相場はすぐに強気局面に移行し、世界株の時価総額はこれまでに40兆ドル余り増加している。

 3月15日、新型コロナウイルスの感染拡大を巡る懸念から、米S&P総合500種の下落率が1日として過去2番目に大きい12%を記録したのが、1年前の2020年3月16日だ。2020年5月、ニューヨーク証取で撮影(2021年 ロイター/Brendan McDermid)

株式、債券、ドルが当時見舞われた事態とそれ以後の経緯を振り返った。

<世界株>

20年2月下旬から3月末にかけて世界中にコロナ流行が広がったことで各国が未曽有のロックダウン(封鎖措置)を相次ぎ実施し、世界の株式は時価総額が21兆ドル目減りした。世界の株が直近の底値を付けたのが昨年3月23日だった。しかし、5カ月後には当時の最高値水準まで回復。3月23日から現在までに時価総額は40兆ドルも増えており、1年での値動きの規模は上下合わせて60兆ドルを超えた計算だ。

もっとも新たに生まれた強気相場には幾つかの段階がある。3月から11月まで続いた「希望」の時期にはヘルスケアとハイテクが買われ、経済活動縮小と旅行禁止で痛手を受けた航空や金融といったセクターが売りを浴びた。ヘルスケアとハイテクの世界株時価総額に占める比率は、パンデミック前の約33%から足元でも42%に広がった状態だ。

ハイテクなどの「成長株」と景気動向に連動する「バリュー株」の価格差は、1990年代の「ドットコム・バブル」以来の大きさになった。

ところが今年に入り、新型コロナウイルスワクチン接種が始まると、バリュー株が勢いを得る一方、ハイテク株は横ばいとなり、従来型企業のウエートが大きいダウ工業株30種は年初来で7%上がった。

<債券>

20年3月16日に米10年国債利回りは急低下(価格は急上昇)した。ショックに襲われたのはその翌日。投資家が株価急落の損失を穴埋めするため、最も流動性が高い政府債の換金売りに動いたからだ。

翌17日の米10年債利回りは一時20ベーシスポイント(bp)を超える幅で跳ね上がり、ドイツ国債や英国債も売られた。これは株式投資リスク分散先としての債券に対する信頼感が動揺した瞬間でもあった。18日になっても市場は落ち着かず、取引開始以降、イタリアとドイツの10年債利回りスプレッドは65bpを上回り、ついに欧州中央銀行(ECB)がPEPP(パンデミック緊急購入プログラム)を打ち出した。

20年3月はドイツ国債先物の高値と安値の開きが1日平均で186ティックと、2月の水準の3倍に拡大して過去最大級になるほど、相場が不安定になった局面だった。リフィニティブのデータでこうしたことが確認できる。

その後、ブルームバーグ・バークレイズ・マルティ・バース債券指数の平均利回りで見ると、3月のピーク時から8月のボトム時までの間で100bp余りも下がった。それ以降では約55bp上昇して、この約1年で最も高い水準になっている。

<ドル>

ドルは20年3月9日-20日で8%近くも急伸し、他のほとんど全ての通貨は値下がりした。メキシコペソが18%下落するなど新興国通貨が一番打撃を受けたが、資金の安全な避難先とみなされた円やスイスフランも6-8%の下げを記録。世界中の短期金融市場にドル不足が広がった。

この流れが変わったのは昨年3月19日で、米連邦準備理事会(FRB)がドル不足の解消に動き、ドルの金利面での優位をなくす措置を講じたことが影響した。ドルは3月のピークから昨年末までに13%下落した。

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