[31日 ロイター] - トランプ米政権は31日、薬価引き下げの実現に向け、カナダからの安価な医薬品輸入の法整備に着手した。全米の州や団体がまず試験的に医薬品を輸入できるよう、厚生省や食品医薬品局(FDA)が法規制を提案する。製薬メーカーらが海外で販売する安価な薬剤を米国に輸入することも認める。
アザー厚生長官は記者説明で、医薬品輸入を巡りこれまでにカナダ側と協議したと明らかにした上で、試験的な輸入を行うかどうかは各州や製薬会社らの判断に任されると指摘。「障害があることは十分承知しているが、何が障害であるかは理解しており、克服することは可能と考える」と述べた。
カナダ保健相の事務所は声明で、米国の対応がカナダ国民に及ぼす影響の把握に努めるとともに、供給やコスト面での悪影響を防ぎたいとした。
一方、製薬業界からは反対の声が上がった。米国研究製薬工業協会(PhRMA)のユーブル最高経営責任者(CEO)は「海外から輸入される医薬品の安全性を保証する手立てがない」と述べた。
米国市場でARCA医薬品株指数.DRGは小動きとなっている。
*内容を追加しました。
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