February 26, 2019 / 2:58 AM / 7 months ago

アングル:日米通商交渉4―5月開始案浮上、対中ヤマ場で米の反応なし

[東京 26日 ロイター] - 昨年9月の日米首脳会談で決まった日米通商交渉について、4━5月にも開始する可能性が浮上している。トランプ米大統領の5月下旬の訪日前に茂木敏充経済再生相とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が会談することで、交渉の方向性について議論するためだ。ただ、米中貿易交渉が「佳境」を迎え、米側から具体的な交渉日程に関する提案がないため、米側の出方待ちになっている。

 2月26日、昨年9月の日米首脳会談で決まった日米通商交渉について、4━5月にも開始する可能性が浮上している。写真はトランプ米大統領。ワシントンで25日撮影(2019年 ロイター/Jim Young)

日米間の外交日程では、トランプ大統領は5月26日から日本を訪れ、即位したばかりの新天皇陛下(現皇太子殿下)と会見するほか、安倍首相との日米首脳会談に臨む。

複数の関係筋によると、大統領訪日前に茂木・ライトハイザー両氏が、通商交渉の対象などを絞り込む「スコーピング」と呼ばれる作業を開始するのではないかとの見通しが浮上している。両閣僚による交渉場所は、米国内が想定されているが、2019年度予算案の成立前の茂木経済再生相の海外出張は難しく、4月ないし5月の交渉案が浮上している。

ただ、米国側からは日米交渉に関する具体的な日程の提示がないという。複数の関係筋によると、2月末に米中通商交渉がヤマ場を迎え、ライトハイザー代表ら日米交渉の主要な担当者が米中交渉に集中。日米通商交渉は、2月末の米中交渉の行方がはっきりした後に、具体的な手順が決まる可能性があると日本側では予測している。

日米通商交渉は当初、2019年初めからの開始が予定されていた。だが、米政府閉鎖などの理由から、現在までスタートしていない。

ただ、昨年12月21日にUSTRは対日要求項目を公表。米国内の法律上は、米国がいつでも日本と交渉を開始できる状態にある。

日程や主要なテーマが未定のまま、日本側にとってどうしても避けたい「事案」がいくつかある。

1つは、農業分野の関税水準。昨年9月の日米首脳会談で発表された共同声明では、農業分野に関して日本が環太平洋連携協定(TPP)などで決められた水準を超えて関税を引き下げないことが明記された。

しかし、過去の日米交渉では、最終的に米側の要求を日本側が受け入れたケースが数多く存在する。個別の農産品で、米側に「押し込まれる」リスクが全くないとは言い切れないとみている政府・与党関係者は少なくない。

さらにやっかいなのは、米国が日本から輸入する自動車・同部品への高関税賦課の問題だ。昨年の日米首脳会談では、日米の交渉中には米国が安全保障を理由に追加関税を課さないことなどで合意した。

ただ、これは「交渉中は」という条件付きで、交渉の結果、高関税を賦課することまでを否定していない。

また、複数の政府・与党関係者は、メキシコとカナダとの間で提携された新NAFTAや新しい米韓協定で、輸出数量規制の文言が入ったことに警戒感を示す。

昨年9月の日米首脳会談後に発表された共同声明には、自動車分野に関して米国内の雇用増に資する形を目指すとの内容が盛り込まれた。

USTRが昨年12月に公表した対日要求事項には、米国が年間7兆円の対日貿易赤字を削減するため、自動車や農産品、サービスから為替に至る包括的な交渉を進めるとしている。

当面、5月の日米首脳会談で、トランプ大統領が安倍首相に無理な「要求」を突きつけるのかどうか、その点に焦点が集まりそうだ。

竹本能文 編集:田巻一彦

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