[16日 ロイター] - 米金融機関の信用リスクの指標とされる「FRA─OISスプレッド」が拡大しており、ストレス(緊張)の高まりを示唆している可能性がある。背景にあるのは連邦準備理事会(FRB)の積極的利上げで浮上した景気悪化への懸念だ。
情報会社リフィニティブのデータによると、ドルの3カ月物の金利先渡し契約(FRA)と翌日物金利スワップ(OIS)のスプレッドは16日に29.50ベーシスポイント(bp)となり、5月23日以来の水準に拡大した。週初はマイナス11.66bpを付けていた。
スプレッドの拡大は、銀行間短期資金市場で信用リスクが高まっていることの表れと解釈される。
JPモルガン・アセットマネジメントのグローバル市場ストラテジスト、ジョーダン・ジャクソン氏はFRA─OISスプレッドの最近の拡大は懸念材料だと指摘。「FRBがタカ派姿勢を強めるのに伴いリセッション(景気後退)懸念が強まっており、結果として潜在的な信用リスクが高まっている」と述べた。
「量的引き締めが正式に始まっており、過去数カ月に準備預金を減らす動きが持続的にあった」し、FRA─OISスプレッドが今後さらに拡大すると予想した。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」