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アングル:予想上回る米CPIで大幅利上げ継続観測、ウォール街に増す暗雲

[ニューヨーク 13日 ロイター] - 米国株式・債券に暗雲が一段と垂れ込めている。13日に発表された8月消費者物価指数(CPI)の前年比上昇率が予想を上回り、米連邦準備理事会(FRB)による積極的な利上げが続くとの観測が強まったためだ。

 9月13日、米国株式・債券に暗雲が一段と垂れ込めている。ニューヨーク証券取引所で撮影(2022年 ロイター/Andrew Kelly)

投資家はもう何週間もの間、FRBのタカ派姿勢を相場が完全に織り込んだかどうか議論を重ねてきた。しかしこのCPIを受け、FRBがこの先しばらくも市場の想定よりずっと踏み込んで利上げが必要になるという意見の方が、妥当性が高まっている。投資家は、既に今年になって資産価格を痛め続けているFRBの利上げがもっと積極化する事態を覚悟しなければならないことになる。

ジョン・ハンコック・インベストメント・マネジメントの共同チーフ投資ストラテジスト、マシュー・ミスキン氏は「FRBは向こう数カ月にわたる利上げ路線に既に歩みを進めようとしていたが、今回のCPIで本当にそうした引き上げに動かざるを得なくなった。これは市場全体にとってかなりのマイナス(要因)だ」と述べた。

フェデラルファンド(FF)先物は今や、FRBが来週の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を1%幅で引き上げる確率を約36%と織り込んでいる。ノムラのアナリストチームも13日、来週の1%利上げを予想した。

足元の市場は(1)米景気後退懸念(2)実質利回り上昇の資産価格に対する悪影響(3)今月からのFRBのバランスシート圧縮規模拡大――といった逆風に見舞われているだけに、金融政策運営が一層タカ派的になるとの見通しは当然歓迎できない。

フェデレーテッド・ハーミーズのチーフ株式ストラテジスト、フィル・オーランド氏は、今後S&P総合500種が最低でも6月半ばにつけた直近安値の3600付近を試す可能性があると予想。「市場はインフレ問題で判断を完全に間違えた。投資家に目を覚まさせて現実を直視させる1日になった」と指摘した。

<タカ派姿勢緩む気配なし>

9月という時期自体も懸念材料の1つと言える。ストック・トレーダーズ・アルマナクによると1950年以降、S&P総合500種は平均的に9月に0.5%下落してきた。月別で見ると最も低調になりやすい月だ。今年の9月も月初来で0.6%安。年初来では17%余りの下落となっている。

8月CPIによって、FRBが近くタカ派姿勢を緩める方向にかじを切るとの楽観的な見方に冷や水を浴びせた。こうした見方は、これまで断続的にリスク資産を支える役割を果たしてきた。ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズの調査ディレクター、マット・ペロン氏はこの点について、「今はFRBの方針転換が差し迫っているという状態ではない。CPIでそれが確かめられた。市場はタカ派姿勢のピーク(アウト)を巡る話で過去数週間、やや先走ってしまった」と解説した。

これから株式と債券がもっと値下がりすれば、この2つの資産クラスを組み合わせた投資でリスクヘッジしようとしていた投資家は傷口が広がるのは間違いない。

BofAグローバル・リサーチによると、片方が下落する局面ではもう一方が上昇するという前提で運用資産の6割を株式、4割を債券で運用する「60/40ポートフォリオ戦略」の年初来リターンはマイナス12%強と、1936年以来で最悪の成績になっている。同社が13日に公表した最新の月間ファンドマネジャー調査では、キャッシュ比率が6.1%と過去20年来の最多水準に達しており、ボラティリティーがより高まる局面に多くの投資家が備えている様子がうかがえる。

コロンビア・スレッドニードルのシニア・グローバル金利ストラテジスト、エド・アルフセイニー氏は「FRBが(物価抑制の)仕事を終えたと十分確信する地点がどこかというのは重要な問題だが、(少なくとも)われわれがそこに現段階で近づいていないのは明らかだ」と語った。

(Lewis Krauskopf記者、David Randall記者)

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