[メキシコ市 23日 ロイター] - メキシコのビデガライ外相は23日、米国のティラーソン国務長官、ケリー国土安全保障長官と会談し、米新政権の移民・通商政策、国境警備などを巡り協議した。
ビデガライ外相は会談後の会見で、「メキシコ国民の間では、国家利益、および国内外のメキシコ人に打撃を与えると思われる政策に対して懸念といら立ちが存在する」とし、トランプ政権の政策に冷ややかな対応を示した。
ただ双方とも、移民、貿易などでさらなる対話を続けると表明した。
米政府は今週、メキシコから国境を越えてきた不法移民について、国籍に関わらずその多くをメキシコに送還する方針を表明。トランプ氏が掲げるメキシコ国境の壁建設や北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉で両国関係はすでに冷え込んでおり、さらなる対立の火種が加わった格好だ。
一方、ティラーソン、ケリー両長官はより慎重に言葉を選び、ケリー長官は「移民対策で米軍が関与することはなく、集団の強制送還もない」などと述べた。トランプ米大統領はこの日、米国からギャングや麻薬密売組織のトップを一掃するため米軍が関わるだろうと発言していた。
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