March 1, 2019 / 12:43 AM / 9 months ago

アングル:物別れの米朝首脳会談、安易な譲歩回避に安堵の声も

[ワシントン 28日 ロイター] - 物別れに終わった2回目の米朝首脳会談について、一部の米当局者や議会関係者、北朝鮮の専門家などは、米側が北朝鮮から中身の薄い合意を取り付けるために安易に譲歩する状況とならなかったことにむしろ安心感を覚えているようだ。

トランプ大統領は28日、ベトナムで開かれた北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との会談後の記者会見で、北朝鮮が制裁解除を要求したため、合意することができなかったと明らかにした。

一方、北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相は、北朝鮮は寧辺の核施設廃棄を提案し、その見返りとして制裁の一部解除を求めるという現実的な提案を行ったと説明した。

首脳会談前には、米側が北朝鮮による非核化の見返り措置として朝鮮戦争の終結宣言や一部制裁措置の緩和、連絡事務所の設置に前向きな姿勢を示しているとみられていた。

ただ、米国の安全保障当局者の多くは、トランプ大統領が北朝鮮からほんの少しの合意を引き出すために過度に譲歩する結果となることを恐れていたため、合意先送りに安心感を得ている。それでもなお、首脳会談の決裂が北朝鮮の核開発を巡る今後の政策にどのような影響を及ぼし得るのかについては懸念が残る。

アーミテージ元米国務副長官は、トランプ氏が外交政策上の成果を追い求めるあまり、米大陸を射程に収める弾道ミサイルの脅威は取り除いても日本を含むアジア地域の同盟諸国に対するミサイルの脅威には効力が及ばない合意を結ぶとの懸念があったが、今回の結果を受けて懸念が後退したと説明した。

米シンクタンク民主主義防衛財団のマーク・デュボビッツ氏はトランプ氏が成果を上げれなかったとの批判に反論。「事実、悪い合意案の拒否は辣腕交渉人が取るべき姿勢だ」とツイートした。

首脳会談の決裂によって金委員長は核・ミサイル能力を引き続き保有することになる。ただ、トランプ大統領は、金委員長は核・ミサイル実験は行わないと約束したと述べた。

米側はかねてより、北朝鮮が核能力を廃棄するまで朝鮮戦争の終結宣言を認めない立場を示してきた。米情報当局者らはこれまで、北朝鮮が核弾頭・ミサイルを全て廃棄する兆しはないとしてきた。

終結宣言に合意すれば、北朝鮮は韓国に駐留する2万8500人の米軍兵士の一部撤収を求める可能性があった。トランプ氏は駐留を続ける必要性に疑問を呈してきたが、首脳会談前に撤収は議題に上らないと明言していた。

 2月28日、物別れに終わった2回目の米朝首脳会談について、一部の米当局者や議会関係者、北朝鮮の専門家などは、米側が北朝鮮から中身の薄い合意を取り付けるために安易に譲歩する状況とならなかったことにむしろ安心感を覚えているようだ。米朝首脳会談後に会見するトランプ大統領(左)とポンペオ国務長官(右)。ハノイで撮影(2019年 ロイター/Leah Millis)

専門家らは、トランプ氏は交渉に失敗することでむしろ成功を収めたかもしれないと指摘する。

トランプ氏に批判的な民主党のアダム・シフ下院情報特別委員長でさえ、「合意を見送るトランプ大統領の決断は悪い合意を結ぶよりも望ましかった」と述べて一定の評価を示した。

*見出しを修正しました。

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