February 5, 2018 / 12:34 AM / 6 months ago

米が新たな核戦略指針、能力増強へ ロシア外務省「非常に失望」

[ワシントン 2日 ロイター] - トランプ米政権は2日、新たな核戦略指針「核体制の見直し(NPR)」を公表し、ロシアに対する懸念を背景に、核能力を増強する方針を示した。

 2月2日、トランプ米政権は、新たな核戦略指針「核体制の見直し(NPR)」を公表し、ロシアに対する懸念を背景に、核能力を増強する方針を示した。米国境取締局で会議する同大統領。バージニア州スターリングで撮影(2018年 ロイター/Jonathan Ernst)

トランプ大統領が北朝鮮の核開発問題を巡りロシアとの関係改善を目指す一方で、米政権のロシアに対する強硬姿勢が新たに示された形となる。

NPRは「核兵器のいかなる使用も容認しないということをロシアが理解することを確実にする」と説明。米当局者は、ロシアが現在、米国の核体制と能力が不十分だと捉えていることが、核能力増強の背景だとの見方を示した。

ロシア外務省は声明で、同指針が対立的で反ロシア的な内容だとし、非常に失望していると発表。「米政府の姿勢を踏まえ、われわれの安全確保に必要な措置を講じる」と表明した。同指針でのロシアに関する指摘内容は否定した上で、米国と建設的に問題に取り組む用意があるとした。

米当局者は、米国が低出力の核能力を増強することで、ロシアの核兵器使用を抑止するとの見解を示している。より大型の核爆弾は被害が甚大であるため使用されることはなく、効果的な抑止力とはならないとされている。

今回の指針では、低出力の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)用核弾頭に関する方針を変更するとした。

また長期的には、米軍は新たな海洋発射型の核巡航ミサイルを開発する見通し。当局者によると、具体的な決定は行われておらず、開発には最大10年かかるという。

米国防総省で戦略能力を担当するグレッグ・ウィーバー氏は、ロシアが「非戦略核戦力の不均衡是正に取り組む」のであれば、ミサイル開発を制限する意向を示した。

米当局者は、2010年の前回の指針発表以降、ロシアが非戦略核兵器の増強と近代化に取り組み、2014年にクリミアを併合し、地上発射型巡航ミサイルの配備により中距離核戦力(INF)に関する条約に違反したと指摘。このほか同指針は、ロシアが海中を進む核魚雷を開発しているとの見解を公式に示した。

また 、退役が計画されていた核爆弾B83について、代替が見つかるまで維持するよう呼び掛けた。B83は米国が保有する最大の核兵器。

ウィーバー氏は「米国は軍拡競争をしているのではなく、ロシアへの対応措置を講じている」と説明した。

一部専門家は核能力の増強に疑問を示している。

オバマ前米政権で核不拡散担当の特別補佐官を務めたジョン・ウォルフスタール氏は、誤った判断につながる可能性があると指摘。「核兵器を搭載するミサイルを開発し、通常の巡航ミサイルを展開した場合、ロシアはどのようにしてそれが通常のものだと判断できるのか」と述べた。

アームズ・コントロール・アソシエーションの軍縮調査部門ディレクター、キングストン・リーフ氏は、今回発表された指針が軍拡競争に拍車をかける可能性があるとの考えを示した。「冷戦時のような数の面での軍拡競争ではない」とした上で、「米国とロシア以外の国も関わり、また既存の核戦力の増強と改善を巡る軍拡競争だ」と述べた。

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