[ワシントン 8日 ロイター] - 米国のインド太平洋調整官カート・キャンベル氏は8日、中国との戦略的競争が激化している太平洋地域の島国を支援するため、日本、ニュージーランド、オーストラリアなどの同盟国と協力していく方針を示した。
太平洋諸島フォーラム(PIF)に加盟する5カ国は2月、次期事務局長の選出を巡る対立からRIFの離脱手続きを開始すると表明した。
キャンベル氏は、今後の二国間や組織的な関与を可能にするため、「分裂」したフォーラムの再招集に向け、他国と協力したいと表明。
ワシントンを拠点とするシンクタンク、新アメリカ安全保障センター(CNAS)主催のオンラインイベントで「われわれはこれらの島国に戦略的に大きく関与しているが、それを忘れがちだ」と指摘した。
また、これらの島国は価値観や国連における役割、健康や気候変動問題、軍事面での潜在的な役割、健全な漁業資源などを巡り、競争の場となっているとし、「オーストラリア、ニュージーランド、日本などの同盟国と緊密に協力しながら、太平洋島しょ国と共通の目的を持つ分野について話し合うことが今後しばらくの目標の一つだ」と述べた。
漁業や沿岸警備活動、ワクチンを含む支援・援助の提供といった分野で進展を目指すとした。
太平洋の島国は近年、中国と米国およびその同盟国の間における主導権争いの場となっている。
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