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焦点:米民主党が勢い回復か、州議会選で巻き返し
October 13, 2017 / 8:44 AM / 2 months ago

焦点:米民主党が勢い回復か、州議会選で巻き返し

Letitia Stein

 10月12日、昨年の米大統領選の敗北を受けて党勢の立て直しを急ぐ米民主党が、このところ州議会の補欠選挙で相次いで勝利を収めている。写真はワシントンの米連邦議会議事堂。2013年3月撮影(2017年 ロイター/Gary Cameron)

[12日 ロイター] - 昨年の米大統領選の敗北を受けて党勢の立て直しを急ぐ米民主党が、このところ州議会の補欠選挙で相次いで勝利を収めている。こうした場がトランプ大統領の保守的なアジェンダに抵抗する新世代の候補者や活動家を試す機会となっている。

ニューハンプシャー州からオクラホマ州に至る州議会の補欠選で、民主党は、共和党議員が保有していた8つの議席を奪った。いずれも、ローカルな問題が争点となった投票率の低い選挙に、数百万ドルの選挙資金を投じた結果だ。これらの勝利は、トランプ氏に敗北し、自身の議席数が歴史的な低水準に落ち込んだ民主党が、いかに逆襲を願っているかを示している。

とはいえ、連邦議会における数千の議席を争う2018年の中間選挙まで、民主党がこの勢いを維持するのは簡単ではない、とロイターの取材に応じた約20人の民主党指導者や政治の専門家は語る。

「われわれは有能な候補者を十分に集め、時代に合った選挙戦を展開することができるだろうか」。民主党政治ストラテジストのサイモン・ローゼンバーグ氏はこう自問する。

民主党は将来の指導者をリアルタイムで試さなくてはならない状況だと同氏は指摘。「準備はできているのか。その答えは、まだ分からない、だ」

11月には、民主党は初期段階の示唆を得る。

最重要の試金石とみられているのは11月7日に行われるワシントン州議会の補欠選挙だ。ここでは、民主党の新人女性候補マンカ・ディングラ氏がシアトル郊外の選挙区で議席を狙う。勝利すれば、民主党は州議会を完全に掌握できる。

検察官で学校関係のボランティア活動にも力を入れるディングラ氏は、シーク教徒のインド系米国人。昨年の大統領選で、ビジネスマンのトランプ氏がベテラン政治家のヒラリー・クリントン氏を破ったサプライズが、政治に目覚めるきっかけとなった。

だがディングラ氏は、態度を決めていない有権者を前にした選挙演説では、大統領について触れないようにしている。

「トランプ氏に対するリアクションは、ボランティアを活性化させることで起きる。傍観者ではいられないと、私のように行動を起こした人がたくさんいる」

選挙ボランティアを申し出た人は、彼女のサイトを通じた申し込みだけで2000人近くとなり、民主党が言うところの「前代未聞の議会選挙への関心」を証明する形となった。

ディングラ氏が共和党のライバル候補に10ポイントの差をつけた8月の予備選は、投票率が比較的高くなり、普段予備選では投票しないという有権者6000人も投票した。

だがワシントン州の外では、2018年の中間選挙を控え、民主党が若干の勝利を収めたところで政治勢力図が大きく変化する訳ではない。

共和党は、26の州政府と、3分の2の州議会で議決権を握っている。民主党は、オバマ前政権の8年間に国政選挙に関心を注ぎ、州議会レベルでは力を失った。

民主党は今では、党再建には州が不可欠だと認識している。また、民主党が主導した医療保険制度改革や環境保護政策を骨抜きにし、移民の取り締まりを強化しようというトランプ氏の政策を押し戻す議案を前進させる機会でもあると考えている。

<有権者に届け>

民主党は、大量のボランティアを動員して有権者3000万人にコンタクトしようと計画している。2016年の州議会議員選挙で接触した数の倍の数字だ。

「ワシントンの政治が行き詰っているため、トランプ大統領からの防護壁として州議会に注目する人が増えている」と、民主党議会選委員会のジェシカ・ポスト氏は話す。

だが、多くの経験値の低い民主党候補者は、来年の選挙で投票率を高め、歴戦の現職議員を破らなければならない。

「もし民主党の勢いが最大になり、投票日が荒れれば、われわれの圧倒的多数は崩れて、単なる多数になるかも知れない。だがそれでも、われわれは多数派だ」と、共和党関連組織GOPACのデービッド・アベラ氏は言う。

民主党は2017年、フロリダ、オクラホマ、ニューハンプシャー、ニューヨークの各州議会補欠選挙で、共和党が保持していた議席を奪った。一方の共和党は、ルイジアナ州議会補選で候補者が無投票で当選を果たした。

2016年の選挙でトランプ氏が65%の得票率で勝利したオクラホマ州では、同氏が取った選挙区3つで、民主党候補者が議席を奪った。各候補者は選挙戦で、学校が週4日制に追い込まれるほどの財政危機など、ローカルな問題を積極的に取り上げた。

勝利した民主党候補者は、「ナンシー・ペロシ(民主党下院院内総務)やヒラリー・クリントンやバラク・オバマにくっついていない、リアルな市民であることを訴えることができた」と、オクラホマ州民主党議長のアンナ・ラングソーン氏は言う。

補選での勝利は、新興の革新グループが有権者に投票を呼び掛けたことを反映した面もある。だがそれを2018年の選挙に向けてどう拡大するかは、今後の課題だ。

民主党に州議会を取り戻させる活動をしているグループ「フリッパブル(ひっくり返せる、の意)」の共同創立者クリス・ウォルシュ氏は、先月フロリダ州を訪れ、民主党のアネット・タッデオ候補が共和党の元職を破った補選を支援した。

この共和党候補者は、トランプ氏が司会を務めたリアリティー番組「アプレンティス」に出演した経歴があった。

「横に共有されていない知識が現場にはたくさんある」と、ウォルシュ氏は指摘し、民主党は、選挙区ごとの投票データなどの情報を新興グループと共有することで支援できると述べた。

今年最も注目される補選は11月に行われるバージニア州議会補選で、民主党は17議席を獲得して多数派を取り戻すことを狙っている。

党勢復活への意気込みを示し、民主党は2年前の選挙より50%多く候補者を公認した。だが、共和党が持つそれら議席を狙うほぼ女性ばかりの候補者のうち、共和党の対立候補よりも多く資金を集められたのは4分の1以下に過ぎない。

共和党側も、防衛を強化している。

2018年の選挙では、共和党から多数派を奪還する可能性の低い連邦議会よりも、州議会が民主党の主戦場になると共和党はみている。

「民主党は、弱いところから崩そうとしており、州議会レベルを狙っている」と、共和党で州戦略を担当する委員会に属するマット・ウォルター氏は言う。「そうならないようにするのが、われわれの仕事だ」

(翻訳:山口香子 編集:下郡美紀)

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