[シンガポール/ニューヨーク 13日 ロイター] - 5月の米消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことを受けて、一部の投資銀行は連邦準備理事会(FRB)が今週の連邦公開市場委員会(FOMC)で75ベーシスポイント(bp)の利上げを実施すると予想している。
予想通りとなれば1994年以来の大幅利上げとなる。
CMEフェドウォッチによると、今週の75bp利上げの確率は30%から96%に急上昇した。
ゴールドマン・サックスは6月と7月に75bp、9月に50bpの利上げが予想されるとしている。
BNYメロンのストラテジスト、ジョン・ベリス氏は13日、「5月のインフレ指標はかなりの懸念を引き起こすもので、FRBはさらに積極的に、速やかに金利を操作するだろう」とし、今週の利上げ幅の予想を50bpから75bpに引き上げた。「やむにやまれず見解を変えた」としている。
バークレイズとジェフリーズも今週の75bp利上げを予想している。
バークレイズのアナリストは12日付のリポートで「米CPIは予想以上だった。引き続き広範かつ根強い物価圧力を示している」とし「FRBはインフレ対応で信認を再確立するため、市場の予想以上のことをしたいと考えている可能性が高い」と述べた。
スタンダード・チャータードは13日付のノートで、14─15日のFOMCでの利上げ幅は50bpになると予想しているものの、75bp、もしくは100bpの幅での利上げが決定される可能性も排除していないとした。
今後の利上げ幅については、7月を50bp、9月を25bpに上方修正。従来は7月が25bp、9月は利上げ停止を予想していた。
米国では景気減速の兆候が出始めており、ミシガン大学が10日に発表した6月の消費者信頼感指数(速報値)は50.2と、過去最低を更新。
ラボバンクは12日付のノートで、低成長と高インフレが組み合わさった「スタグフレーション」のリスクは、インフレと景気後退(リセッション)が組み合わさった「インセッション(incession)」発生の脅威に変わっていく恐れがあるとの見方を示した。
キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、オリバー・アレン氏は、国債のイールドカーブ反転、ハイイールド債の信用スプレッド拡大、景気循環セクターのアンダーパフォーマンスなどから、経済の先行きに対する懸念が高まっていると指摘した。
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