[イスタンブール 19日 ロイター] - トルコの民間銀行、イシュバンクとデニズバンクは19日、米国の制裁措置を受け、ロシア独自の決済システム「MIR(ミール)」の利用を停止したと発表した。
米国は先週、対ロシア金融制裁措置の回避への加担が疑われる個人や団体に対する制裁措置の一環として、ミールを運営する「国家決済カードシステム(NSPK)」の最高経営責任者を制裁対象に指定した。
イシュバンクはミールの利用を停止し、米財務省の新たな制裁措置を精査していると表明。国内外の法律やビジネス原則を順守し事業を遂行することに努めるとした。
デニズバンクも「国際的な制裁に従って行動している」とし、ミールのサービスを現在は提供していないと明らかにした。
この日の取引でイシュバンク株価は急落。一時約10%下落し、取引を一時的に停止するサーキットブレーカーが発動された。イスタンブール証券取引所の銀行株式指数は9%を超えて下落した。
トルコは北大西洋条約機構(NATO)加盟国だが、西側諸国の対ロシア制裁に原則的に反対。ロシアによるウクライナ侵攻は非難しているものの、西側諸国はトルコとロシアの経済関係の緊密化を懸念している。
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