January 23, 2019 / 5:53 AM / a month ago

焦点:米政府閉鎖が経済指標に生む空白、雇用統計への影響は

[ワシントン 22日 ロイター] - 2カ月目に突入する米政府機関の一部閉鎖によって、重要な経済指標の公表が遅れており、投資家や企業は、本能やひらめきに頼って大事な判断を下さざるを得ない状況に追い込まれている。

1月22日、2カ月目に突入する米政府機関の一部閉鎖によって、重要な経済指標の公表が遅れており、投資家や企業は、本能やひらめきに頼って大事な判断を下さざるを得ない状況に追い込まれている。写真は閉鎖32日目にあたる22日、ワシントンの米連邦議事堂前で撮影(2019年 ロイター/Carlos Barria)

トランプ米大統領がメキシコ国境の壁建設予算57憶ドル(約6200憶円)の計上を要求して議会が対立したことを受け、政府機関の4分の1程度が12月22日から閉鎖されており、いまや米国史上最長の閉鎖日数を更新し続けている。

閉鎖の影響は商務省にも及んでおり、同省の経済分析局(BEA)や国勢調査局がまとめている経済指標の公表が停止された。労働省は閉鎖対象ではなく、同省労働統計局(BLS)は市場が注目する雇用統計を含む指標発表を続けている。

連邦準備理事会(FRB)やコンファレンス・ボード(CB)のような非政府組織から出される指標も、公表されている。

●公表が停止された指標は

最初に犠牲となったのは、12月最終週に発表が予定されていた11月の新築住宅販売や貿易収支(速報値)、卸売・小売り在庫といった指標だった。これらの指標の12月分も、公表が遅れる可能性が高い。

また、官民セクターによる新改築の支出状況を示す11月の建設支出の公表も延期された。11月の貿易収支の発表も延期された。

11月の企業在庫や製造業受注も延期されている。12月の小売りや住宅着工件数、建設許可件数も公表されていない。12月の耐久財受注や個人所得、消費者支出も公表されない可能性が高い。

これらの指標は、経済活動の中心指標である国内総生産(GDP)の計算に使われるものだ。30日に公表が予定されている第4・四半期GDP(速報値)は、仮に閉鎖中の政府機関が今週再開したとしても、公表が遅れる可能性が高い。

●それは何を意味するか

製造業や農家、小売業者や建設業者などの企業は、設備投資や生産、在庫管理などの決定に、これらの指標を頼みにしている。

政府や民間のエコノミストは、米経済全体の状況をつかむために、これらの指標に依存している。また、金融市場の参加者も、資産配分を決めるためにこれらを必要としている。

クリントン政権下で商務次官(経済担当)を務めたロバート・シャピロ氏によると、今回の政府機関閉鎖により、すべての調査が保留になった。データ公表を監督する立場にあった同氏によると、遅れを回復するのには時間がかかるという。

「GDPは、経済全体が向かう方向やペースを測る唯一の基準であり、主要な構成データは、長期的なビジネス・金融計画や短期的投資アルゴリズムの設計に役立つ」。現在ではジョージタウン大マクドノー・スクール・オブ・ビジネスでシニアフェローをしているシャピロ氏はそう語る。

複数のFRB当局者は、中銀が重視するインフレ率などの重要情報抜きで金融政策を決定しなければならないことに懸念を表明している。

「有効なデータを手にすることで、政策決定をしている」とニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は18日語った。FRBが政策決定する次回の連邦公開市場委員会(FOMC)は29─30日に開催される。

政府機関の一部閉鎖により、約80万人の連邦政府職員に給与が支払われていないほか、民間契約職員も無給で働いている。閉鎖の長期化で不確実性や不安が高まっており、消費者やビジネスのマインドが減退している。

1月の消費者マインドは、ここ2年超で最低の水準に落ちこみ、ニューヨーク連銀の景気指数も今月大きく低下した。

●1月雇用統計への影響は

BLSが出す雇用統計には、国勢調査局が出している世帯調査の結果も反映される。だが今回、国勢調査局の予算執行が停止されたことは、1月の雇用統計には影響しない。

世帯調査のデータ収集コストは、ほとんどBLSが負担しており、BLSは「現段階では、予算停止による影響はない」と語る。

ただ、労働市場や労働力、賃金の伸びの全体状況を測るために国勢調査局が提供している粗データの一部は、今回提供されないという。

消費者物価指数(CPI)も、予定通り公表される。BLSによると、2月6日に公表予定の第4・四半期の労働生産性指数は、GDPの内容をベースに作成されているため、GDPが予定通り公表されない場合は、完全な形では公表できない可能性があるとしている。

●政府閉鎖が終わったらどうなるか

2013年10月に政府機関が一部閉鎖された時の状況を参考にすると、BEAと国勢調査局は、延期された指標の発表スケジュールを新たに設定するだろう。またそうした指標の一部は、最新指標と同時に発表される可能性がある。例えば、12月の住宅着工件数は、1月の数字と同時に出てくるかもしれない。

11月分の新築住宅販売や建設支出、製造業受注、貿易収支(速報値)、そして卸売・小売り在庫などの指標は、閉鎖解除後、数日以内に公表される可能性があるが、12月分の指標が出てくるまでには時間がかかるかもしれない。

「11月分の指標については、閉鎖前にデータ収集されていたものがあるかもしれないが、それがどの程度かは分からない」とシャピロ氏は語る。「12月分は、これからデータ収集を始めなければならないだろう。時間はかかるかもしれないが、いずれ公表されるだろう」

(翻訳:山口香子、編集:下郡美紀)

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