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アングル:最高値圏の米国株、秋に失速の可能性示す5つの指標

[ロンドン 25日 ロイター] - 米株式市場は過去最高値近辺で9月を迎えようとしているが、新型コロナウイルスのデルタ変異株感染が急拡大していることで、今後数カ月間の秋の相場見通しは再考を迫られるかもしれない。

 8月25日、米株式市場は過去最高値近辺で9月を迎えようとしているが、新型コロナウイルスのデルタ変異株感染が急拡大していることで、今後数カ月間の秋の相場見通しは再考を迫られるかもしれない。19日、ニューヨーク証券取引所で撮影(2021年 ロイター/Andrew Kelly)

消費者信頼感からデリバティブに至る幅広い指標は、新たな支援材料が出てこない限り、上昇が一服するか、場合によっては反落する可能性を示している。投機筋は安全資産とされるドルの買いを一斉に増やしており、株式市場では景気循環の影響を受けにくい「ディフェンシブ株」に乗り換える動きが鮮明だ。

こうした流れを示す5つのチャートを紹介する。

(1)消費者信頼感指数が落ち込み

金融市場と米消費者の景気認識は、少なくとも過去13年間で最も大きくかい離している。

リフィニティブのデータによると、アナリストはS&P500種総合株価指数を構成する企業の利益が2023年上期に入るまで2桁台の伸びを続けると予想している。

しかし8月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は10年ぶりの低水準に落ち込んだ。これは今後数カ月中に利益が大幅に落ち込む可能性を示唆している。

(2)企業の景況感も悪化

足元の指標によると、経済再開による景気の浮揚効果はほぼ一段落したようだ。さらには新型コロナの感染再拡大を巡っても不安が広がっており、独IFO経済研究所が25日発表した8月の業況指数は、企業景況感の急激な落ち込みを示した。

シティ・リサーチの世界エコノミック・サプライズ指数は今週、昨年6月以来で初めてマイナスに転じた。同指数は、経済指標が想定より上振れたか下振れたかを示す。

今月初めの欧州の製造業サーベイは今年1月以来の低水準となり、米国や中国の最近の動きと同様の傾向を示した。

シティのアナリストチームは、米供給管理協会(ISM)の指数がピークを打つと株価は通常下落するが、今年はまだそうなっていないと指摘。こうした通常の傾向が戻れば「向こう半年間でS&P指数は10―15%下落するか、膠着して推移しそうだ」との見方を示した。

(3)上昇銘柄数が減少

世界株価指数の最高値更新は、1つの重要な事実を覆い隠している。上昇をけん引する銘柄の幅が非常に狭まっていることだ。

リフィニティブのデータによると、1月はナスダック指数構成銘柄のうち1876銘柄が上昇し、1039銘柄が下落した。しかし今月に入ってから月初来で上昇しているのは1457銘柄で、下落は1936銘柄もある。

下げ銘柄数が上げ銘柄数を上回ると、上げ相場はピークに達し、それ以上の上昇は難しくなる場合がある。

(4)リフレ取引を再考

今年前半は金融緩和や財政出動に期待する「リフレ取引」が支配的で、金その他の安全資産が売られ、景気回復の恩恵を受けやすい観光関連株や銀行株、バリュー株などが買われた。

しかし、5月以来12%下落していた金価格は過去2週間で7%回復。資源、新興国市場、バリュー株などの相場はここ数週間で売り圧力を受けている。

(5)ポジションの偏り

デルタ株拡大への懸念をよそに、投資家は一段の株価上昇を見込むポジションに大きく偏ったままだ。S&P500指数のオプション取引における「プット・コール・レシオ」は年初来の最低水準近くで推移している。これは基本的に、相場の上昇を見込む投資家の方が下落を予想する投資家より多いことを示す。

しかし年初に見出しをにぎわせた個人投資家は、今はさほど乗り気ではなさそうに見える。個人投資家の心理を示すAAIIサーベイの指数は、昨年10月以来で初めて弱気圏内に入っている。

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