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アングル:米国株の値ごろ感、判断し難く 投資家は様子見

[ニューヨーク 17日 ロイター] - 米国の株価は大幅下落して値ごろ感が出ているようにも見える。しかし債券利回り、インフレ率、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ姿勢などを巡る不透明感が強いため、投資家は株価の適正水準を見極めづらい状況だ。

6月17日、米国の株価は大幅下落して値ごろ感が出ているようにも見える。ニューヨーク証券取引所で16日撮影(2022年 ロイター/Brendan McDermid)

株価が年初に比べて大幅に安くなったのは間違いない。S&P500種総合指数は年初から23%下げ、「弱気相場」入りが確認された。

しかし、これで十分安くなったかどうかは確かではない。相場の不安定化とマクロ経済環境の急変により、企業利益や米国債利回りなど、投資家が通常株式バリュエーションの評価に用いる数値が見えにくくなっているからだ。この結果、一部の投資家は様子見を決め込んでいる。

ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティテュートのシニア国際市場ストラテジスト、サミール・サマナ氏は「金利見通しと企業利益見通しについての視界がもう少し良くならない限り、株の適正価値は少し把握しにくい」と語った。

リフィニティブのデータストリームによると、米国株の予想株価収益率(PER)は現在17.3倍と、年初の21.7倍から下がり、過去平均の15.5倍に近づいている。

しかしリフィニティブIBESによると、このPERはS&P500社の利益が今年10%近く増えるとの見通しに基づいている。一部の市場参加者は、インフレ率が高進して金融環境が引き締まる中で、利益予想を維持できるかどうか疑問視している。

ウェルズ・ファーゴ・インベストメントのストラテジストチームは、今年の増益率が見通しより低くなり、来年にはマイナスになると予想する。今年末から来年初めにかけて景気後退が訪れるとの見方だ。

ワシントン・クロッシング・アドバイザーズのポートフォリオマネジャー、チャド・モーガンランダー氏は「投資家には、厳しさを増すかもしれない景気と収益環境を考慮するよう勧めている。現在の予想に基づく株価バリュエーションに騙されるな、ということだ」と語った。

モルガン・スタンレーのアナリストチームは最近のリポートで、企業利益が予想平均よりも3―5%低くなる結果、S&P500種指数の「より確かな下値支持線」は3400と、17日終値を約8%下回る水準になる可能性が高いとした。

標準的なバリュエーションモデルでは、米国債利回りも重要な役割を果たす。利回りが上がると将来のキャッシュフローの割引現在価値が下がり、株式の魅力は衰える。

しかしここ数週間、FRBの利上げ見通しがころころと変わって国債利回りがいつになく急変動しているため、この計算も難しくなっている。

モーガンランダー氏は、「無リスク金利」である米国債利回りが現在のように上昇することは一般的に「個別株だけでなく株式指数にとっても逆風だ」と述べた。

株価は十分に安くなっており、物色を始める時機が来たとみる投資家もいる。

コモンウェルス・ファイナンシャル・ネットワークのポートフォリオマネジメント責任者、ピーター・エッセル氏は、家財道具その他の消費者向け商品が供給過剰になるとともに、消費者の好みが変化している結果、インフレは今後落ち着いてくると予想。「株式市場のインフレ見通しは間違っていると思う」と述べた。

一方、ダコタ・ウェルスのシニア・ポートフォリオ・マネジャー、ロバート・パブリク氏は「インフレ鈍化の兆しをしっかりと確認したい。それまでは余剰キャッシュを抱えたまま様子見を続ける」と語った。

(Lewis Krauskopf記者)

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