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アングル:米投資家が外株に視線、世界的利上げで変わるマネー

[ニューヨーク 13日 ロイター] - 米国の一部投資家は、今後数カ月の間により良い株式リターンを得るため海外に目を向けている。

 米国の一部投資家は、今後数カ月の間により良い株式リターンを得るため海外に目を向けている。写真はニューヨーク証券取引所前で2022年11月撮影(2023年 ロイター/Andrew Kelly)

米国株は厳しい2022年を経て年明けに反発しているが、それでも海外の株式に遅れをとっている。STOXX欧州600種指数は第3・四半期末から約17%上昇したのに対し、米国のS&P総合500種は11%高にとどまっている。米国を除く世界の株式をカバーするMSCI指数はこの間に20%以上上昇している。

投資家によると、欧州株は懸念されたエネルギー危機がこれまでのところ暖冬により回避されていることの恩恵に浴している。中国経済の再開とドル安に加え、穏やかなコモディティー(商品)価格も寄与しており、堅調地合いは今後も続くと予想する向きもある。

フェデレーテッド・エルメスの国際株式グループ責任者、マーティン・シュルツ氏は「ここ数年はそうではなかったが、相対的に言って今は米国外のより良い機会を追い求める資金が増えている」と話す。

米国株は、長らく世界の株式市場を凌駕してきた。S&P500は09年3月の金融危機時の安値から昨年まで460%以上上昇したのに対し、欧州のSTOXXは170%の上昇にとどまった。

この時期は総じて金利が最低水準で推移し、欧州の株価指数よりもテクノロジー株のウエートが大きい米国の株価指数に有利に働いた。ハイテクセクターはS&P500の26%を占めている。STOXX600は金融株と工業株の比重が高く、ハイテクセクターは7%程度に過ぎない。

しかし昨年、世界の中央銀行がインフレ対策として金利を引き上げた。ハイテクをはじめとする高成長株のバリュエーションを特に圧迫する一方、欧州で比重の大きい銀行といったバリュー株に有利に働く可能性がある。

インベスコ・インベストメント・ソリューションズ(ニューヨーク)のシニアポートフォリオマネジャー、アレッシオ・デロンギス氏は「米国株を支えてきた長年の要素の一つは非伝統的金融政策だったが、それは終焉を迎えた」と述べた。

ダブルライン・キャピタルの投資家ジェフリー・ガンドラック氏とBofAグローバル・リサーチはこのところ国際株式を宣伝しており、23年に世界株が米国株を「粉砕」すると予想していた。

金融情報会社リフィニティブのデータストリームによると、欧州のSTOXXは最近の上昇にもかかわらず、予想PER(株価収益率)が12倍と、S&P500の約17倍に対してかなりの割安水準で取引されている。このバリュエーションギャップは過去最大に近く、過去平均の2倍以上となっている。

最近のドル安も国際株を押し上げる要因の一つだ。ドル安は米国の投資家が海外で得た利益を自国通貨に戻す際に有利に働く。米利上げが停止方向に近づいていると見なされればドル安が続くと考える投資家もいる。

一方、米国株が近いうちに支配的立場を回復すると考える投資家もいる。広く予想されている世界的な景気後退は投資家の米国株回帰を促す一因となり得るという。

エドワード・ジョーンズのシニア投資ストラテジスト、モナ・マハジャン氏は、国際株の購入は国内での機会を「補完」する可能性があると指摘。「米国市場はまだそれほど回復していないので、米国にはまだチャンスが残っていると思う」と語る。

(Lewis Krauskopf記者)

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