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コラム

コラム:ゲンスラー氏のSEC委員長起用案、ウォール街には不吉

[サンフランシスコ 13日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 「彼」が帰ってくる──。ロイターによると、バイデン次期米大統領は、バンカー出身ながら金融界に批判的なゲーリー・ゲンスラー氏を証券取引委員会(SEC)委員長に指名する見通しだ。ゲンスラー氏がオバマ前政権下で米商品先物取引委員会(CFTC)委員長だった月日に、ぎりぎり締め付けられ、未だ痛みを感じている金融業界にとっては頭の痛い話だ。ゲンスラー氏がSEC委員長に就任すれば、厳しい規制を導入する可能性が高いからだ。

  「彼」が帰ってくる──。ロイターによると、バイデン次期米大統領は、バンカー出身ながら金融界に批判的なゲーリー・ゲンスラー氏(写真)を証券取引委員会(SEC)委員長に指名する見通しだ。2013年7月、ワシントンで撮影(2021年 ロイター/Jose Luis Magana)

CFTC委員長だった当時、ゲンスラー氏はウォール街にとって、目の上のたんこぶだった。2008年の金融危機を経て、デリバティブ取引の暗部に透明性をもたらす任務を負ったゲンスラー氏は、SECよりも素早く行動した。一連の新たな措置を実行に移しただけでなく、金融規制「ボルカールール」の下で銀行が許される自己勘定取引の種類を巡り、厳しい定義の適用を押し進めた。

不正行為の取り締まりも優先課題として取り組んだ。ゲンスラー委員長の下、CFTCはLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)の不正操作で金融大手を訴えた。金融業界出身だけに、規制当局者としての能力も高かった。ゲンスラー氏はゴールドマン・サックスで20年近く働き、同社では各国財務省および企業財務部との取引を扱う部門での共同責任者を務めた。

バイデン氏がゲンスラー氏をSEC委員長に起用する可能性から、次期政権下におけるウォール街の命運がうかがい知れる。ゲンスラー氏は買収目的の特別会社、いわゆる「ブランクチェック・カンパニー(白紙小切手企業)」を規制の対象にし、情報開示の拡大と投資家保護の強化を義務付ける可能性がある。高名なプライベート・エクイティ企業やヘッジファンドが顧客に課している手数料にも、切り込むかもしれない。

気候変動や多様性など、進歩主義派が重視する問題も議題に上る可能性がある。ゲンスラー氏は、エリザベス・ウォーレン上院議員のようなリベラル派から賞賛を浴びた数少ない規制当局者の1人だった。SEC委員長に就任すれば、企業に気候変動リスクや多様性の問題を巡って情報開示の拡充を要求するかもしれない。ゲンスラー氏はマサチューセッツ工科大学で暗号資産(仮想通貨)とブロックチェーンの問題について教鞭を取っていた。この分野も規制の焦点になる可能性がある。

進歩主義派はバイデン氏のチームに対し、通貨監督庁(OOC)や連邦預金保険公社(FDCI)、消費者金融保護局(CFPB)のトップにも金融業界に批判的な人物を据えるよう求めている。そうした当局のトップもゲンスラー氏と考え方を共有するなら、ウォール街は今後いく年か、気の抜けない日々を過ごすことになるだろう。

●背景となるニュース

*ロイターが12日報じたところでは、バイデン次期米大統領はSEC委員長にゲーリー・ゲンスラー氏を指名する計画。この計画は今後、変更される可能性もある。ゲンスラー氏は2009年から14年までCFTC委員長を務め、昨年11月の大統領選以降はバイデン氏の政権移行チームに加わり、金融規制に関する助言を行っていた。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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