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アングル:ビットコイン採掘のエネルギー消費、米環境運動の標的に

[ロサンゼルス 22日 トムソンロイター財団] - 中国が昨年、暗合資産(仮想通貨)ビットコインのマイニング(採掘)を禁止すると、米国で採掘を始める「ゴールドラッシュ」が起こり、ニューヨーク、ケンタッキー、ジョージアなど米国の州がたちまち主要なマイニング拠点となった。

 中国が昨年、ビットコインのマイニング(採掘)を禁止すると、米国で採掘を始める「ゴールドラッシュ」が起こり、ニューヨーク、ケンタッキー、ジョージアなど米国の州がたちまち主要なマイニング拠点となった。写真はイメージ。2021年8月撮影(2022年 ロイター/Dado Ruvic)

ニューヨーク州議会のクライド・バネル議員にとって、これほどうれしいことはない。地元で雇用が生まれて「幸いだ」と語る。

一方で、アンナ・ケルズ議員は、電力を大量消費するマイニングを同州で厳しく規制する法案を推進中だ。「われわれの気候変動目標をすぐに脱線させてしまう産業がやってきた」と警鐘を鳴らした。

米国ではビットコインのマイニングによる環境への影響を巡る議論が活発化し、主要な環境団体が化石燃料の使用を批判する運動を全米で展開し始めた。

マイニングによるエネルギー消費量と温室効果ガスの排出量を正確に測定するのは難しい。

業界団体コインシェアが2021年に出した推計では、排出量は世界全体の1000分の1に満たないが、ニューヨーク・デジタル・インベストメント・グループの報告によると、2030年までに最大1%に達する見通しだ。

ビットコインのエネルギー消費を一貫して批判してきたエコノミスト、アレックス・ドゥ・ブリー氏は今年3月にエネルギー誌で発表した論文で、マイニングによってギリシャ1国分の二酸化炭素(CO2)が排出されたとの推計を示した。

ビットコインの推進派は、例えば、クリスマスの照明などもマイニングとほぼ同量のエネルギーを消費しているし、ビットコインの社会的機能を考えればエネルギーを消費するだけの価値がある、と主張する。

しかし、ニューヨークやペンシルベニアなどの州では、一部のマイナーが閉鎖された化石燃料発電所を復活させて電力を確保し、地元住民の抗議に遭う事例もあった。

環境団体・グリーンピースUSAの最高プログラム責任者、テフェレ・ゲーブル氏は、最近の記者会見で「今は気候変動危機の渦中だ」と指摘。ビットコインのマイニングは「われわれを間違った時期に間違った方向へと押し進めている」と批判した。

<NY州の法案>

ニューヨーク州議会のケルズ議員が策定した法案では、化石燃料を電源とするビットコインの新事業にモラトリアム(一時停止措置)を課すことが盛り込まれている。

同州のビットコイン・コンサルティング会社、ファウンドリーのディレクター、カイル・シュネプス氏は、法案が可決されれば「ニューヨークはこの事業に門戸を閉ざしたというシグナルになる」と反発する。

シュネプス氏は、再生可能エネルギーを利用しているマイナーもある上に、マイニング事業は地元に経済的な恩恵ももたらすと主張する。同社自体、ニューヨークで115人を雇用している。

法案に反対するバネル議員は、モラトリアムを導入すればマイナーが逃げかねないとし、議会は業界と協力して環境面の懸念に対処すべきだと話した。

ニューヨークで起こったことが全米に影響を及ぼすだろうという点では、賛成派と反対派の考えが一致している。

<コード変更を巡る対立>

エンバイロメンタル・ワーキング・グループやグリーンピースUSAなど主要な環境団体は、全米でビットコインによる環境への影響に注意を喚起する運動を展開している。

これらの団体は、ビットコインのソフトウエアコードを変更し、エネルギーを大量消費する「プルーフ・オブ・ワーク」方式から、消費量の少ない「プルーフ・オブ・ステーク」と呼ばれる新方式に切り替えるよう求めている。

新方式を使った暗合資産・リップルの共同創設者、クリス・ラーセン氏は、この運動に500万ドルを寄付した。

だが、ビットコイン推進派は、エネルギー集約型の設計こそが、ビットコインの安全性と分散化を維持する上で重要だと主張する。

これに対してラーセン氏は、ビットコインに投資する大手金融機関が増えるにつれ、ソフトウエア開発者に環境、社会、統治(ESG)目標に沿うよう求める圧力が増すと予想。「この圧力によって、中核的な開発者らは(コードの)変更を行うだろう。それがゴールだ」と述べた。

(Avi Asher-Schapiro記者)

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