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アングル:米大型ハイテク株に潮目、FRBタカ派傾斜で割高イメージ

[ニューヨーク 5日 ロイター] - 今週の米株式市場で、アップルの時価総額が3兆ドルの大台に到達した。そのことで昨年のS&P総合500種上昇の大部分をもたらした大型ハイテク株が、今年も株価を押し上げ続けるのかどうか、改めて投資家の注目が集まっている。

 今週の米株式市場で、アップルの時価総額が3兆ドルの大台に到達した。ニューヨークのマンハッタンで4日撮影(2022年 ロイター/Carlo Allegri)

UBSグローバル・ウエルス・マネジメントのデータによると、マイクロソフト、アップル、エヌビディア、グーグル親会社アルファベット、テスラの5銘柄が、昨年のS&P総合500種のトータルリターンの3割程度を提供した。

上昇率トップ5銘柄によるトータルリターンへの寄与度は、1985年以来の平均の2倍以上だ。昨年のS&P総合500種のトータルリターン(配当込み)は28.7%だった。

大型ハイテク株の爆発的な成長のおかげで、S&P総合500種が過去10年間にわたって急上昇を続けてきたのは間違いない。

だが、一部の投資家は、今年も大型ハイテク株が相当なリターンを確保するのは難しくなってきたのではないかと心配している。割高化が進んだ上に、長期国債利回りは一段と上昇しそうで、米連邦準備理事会(FRB)がよりタカ派姿勢に傾いているからだ。

ヤルデニ・リサーチによると、S&P総合500種のハイテクセクターの予想利益に基づく株価収益率(PER)は27.9倍と、2004年以来の最高水準に近く、市場全般の21.3倍よりはるかに高い。

エヌビディアのPERは56倍、テスラは一般消費財セクターに属するものの、PERは何と119倍だ。

ヌビーンのグローバル株式最高投資責任者、サイラ・マリク氏は、年内にFRBが複数回利上げすると想定される中で、これらの銘柄はバリュエーションの高騰により金利上昇に対する脆弱性が高まる恐れがあるとの見方を示した。

マリク氏は「過去1年間でわれわれが目にしてきたハイテク株の幅広いリターンは金融政策の支えが一因だった。しかし、今年それは望めない」と話す。

企業の将来の利益を損なう恐れがある金利上昇とハイテク株の間には、時に緊張感をはらんだ関係が生まれ、4日にはそうした様子が実際に確認された。

米経済が勢いを増すとの観測から長期国債利回りが上昇し、エネルギーや銀行、製造業といった銘柄が買われた半面、ハイテク株は下押し圧力を受けたからだ。ハイテク株は5日も逆風に見舞われ、ナスダック総合が下落した。

マリク氏は、アマゾン・ドット・コムなど市場全般に比べて出遅れていた大型ハイテク株の保有は維持しつつも、パイオニア・ナチュラル・リソーシズといったエネルギー株も重視している。

ビジネスやレジャー向けの旅行が復活するとともに航空燃料需要が高まれば恩恵を受けると想定。新型コロナウイルスの変異株が人やモノの移動に及ぼす影響が小さくなり、リターンをもたらす銘柄が広がってくるとともに、株式市場では銘柄ごとの値動きのばらつきがより大きくなるとみている。

ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティテュートのシニア・グローバル市場ストラテジスト、スコット・レン氏は、オミクロン株の流行を巡る懸念が後退していることも、ハイテク株の買い需要減退につながる可能性があると指摘した。

これまでハイテク企業は収益が経済変動の影響を受けにくい点が評価され、コロナ禍において投資家の避難場所になりがちだった。また、多くのハイテク銘柄は過去2年間を通じた「巣ごもり生活」も追い風となってきた。

レン氏は、ハイテク株が市場全般並みの値動きを維持すると予想しているものの、米国のインフラ投資がプラスに働くはずの製造業の株もオーバーウエートにしている。

一方、UBSは4日のリポートで、ハイテク株の中でも大型株は、消費者に重点を置かない中小株ほどの魅力はなくなったと主張。「われわれはもはや、大型株がハイテクセクターにおいて最も際立ったリターンを獲得できる場所だとは考えていない。人工知能(AI)やビッグデータ、サイバーセキュリティーの方が、より大きな価値を得られるだろう」と述べた。

ナティクシス・インベストメント・マネジャーズのポートフォリオマネジャー、ジャック・ジャナスウィックス氏は最近、金融や住宅建設など景気循環セクターのオーバーウエートを強化している。「市場参加者がハイテクというだけで喜んで投資してきたリスクサイクルのピークは、過ぎ去ったと思う」という。

(David Randall記者)

*記事の内容は執筆時の情報に基づいています。

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