[7日 ロイター] - 大手会計事務所デロイトが7日に公表した報告書によると、次世代高速通信「5G」ネットワークの構築において中国が米国をしのいでいる。米国は経済的利益の機会を逸するリスクがあると警告した。
中国には現在、5Gネットワークに対応している基地が米国の10倍ある。2017年の3カ月間で、中国における携帯電話の鉄塔会社や通信会社が増やした基地数は、米国の過去3年間分を上回る。
デロイトは、5Gは「未開発の経済的機会をもたらす」とし、最初に導入する国が「かけ離れた恩恵を受ける」とした。
15年以降、5Gネットワーク構築に投資した額は中国が米国を240億ドル上回る。中国における携帯電話の鉄塔基地の新設数は同期間で35万カ所。米国は3万カ所に届かない。
米連邦通信委員会(FCC)は最近、今後5Gで使われる見込みの高周波数の電波事業への入札における新たな規制を発表した。
デロイトのダン・リットマン主任は声明で「米国が競争力を維持し、将来的にけん役を担うには、5G化の競争は慎重に評価しつつ、素早い行動が重要となる」とした。
報告書は、米国はまだ追いつけるとした。5G展開までの時間を短縮できるような政策にするほか、携帯電話の通信会社が協力し、統計や最優良事例のデータベースを構築することを推奨した。