[6日 ロイター] - 中国系短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」が、米政府との締結を目指す情報セキュリティーに関する合意を巡り、合意履行を支援するコンサルタントの採用を保留したことが分かった。2人の関係筋が語った。米政府関係者の間で合意に反対する声が強まっているためだという。
ティックトックは過去3年間、米政府に対し、米国民の個人情報へのアクセスはできず、中国共産党や中国政府の影響下にある事業体もコンテンツを操作できないことを保証しようと模索してきた。
バイデン米大統領はティックトックを禁止する2021年のトランプ前大統領による大統領令を取り消した。ただ、ティックトックを親会社である中国IT大手・字節跳動(バイトダンス)から分離させるかについての交渉は続いている。
関係者によると、ティックトックは米政府との合意を順守する姿勢を示すため、外部の監視員を雇うなどの監視体制を強化する方針をまとめている。
関係筋によると、ティックトックは昨年末、これらのコンサルタント候補らに対し、採用プロセスは保留となり、今月末までに再開するかどうかを知らせると通知した。理由として「このところの動き」を挙げたものの、詳細は説明していないという。
米政府とティックトックとの協議に詳しい関係筋によると、バイトダンスの一部従業員が米国の利用者情報にアクセスしたとの報道を受け、ティックトックとの合意を支援していた米政府関係者らは動揺。バイトダンスをティックトックから切り離すこと求めている政府内の対中国強硬派が勢力を強めているという。
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