[ワシントン 22日 ロイター] - 中国系動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」は22日、同社の事業活動を禁止する法律が成立した米モンタナ州を同州の連邦地方裁判所に提訴した。
禁止法が合衆国憲法修正第1条で保障された同社とユーザーの言論の自由を侵害していると主張した。また、連邦政府の専権事項に介入しているため連邦法が優先されるほか、憲法の通商条項にも違反しているとした。同条項は、州政府が州や国をまたぐ通商に不当に負担をかける法律を制定する権限を制限している。
TikTokはさらに、米国ユーザーのデータを中国政府と共有したことはなく、今後も共有しないとし、ユーザーのプライバシーと安全を確保するために重要な措置を講じてきたと強調した。
モンタナ州のジアンフォルテ知事は17日、TikTokの州内での事業を禁止する法案に署名。アプリストアでのTikTok提供が2024年1月1日から州内で禁止されることになった。州による同アプリの禁止は全米で初めて。同日夜には、ユーザー5人が差し止めを求めて提訴した。
モンタナ州司法長官の報道官は「訴訟は想定していた。州民のプライバシーと安全を守る法律を擁護する用意が完全にできている」と述べた。
米国ではトランプ前大統領が2020年、TikTokやテンセント(騰訊控股)の対話アプリ「ウィーチャット」の新規ダウンロードなどを禁止しようとしたが、裁判所の判断で差し止めとなった。
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